冷凍血の凍結保存期間および有効期間の延長について

FDA(Food and Drug Administration)では赤血球の凍結保存期間を10年間と規定している. AABB(AMERICAN ASSOCIATION OF BLOOD BANKS)でも1989年STANDARDS1)で輸血用の血液の凍結保存期間を10年と定めている. わが国の生物学的製剤基準2)では, 現在, 赤血球の凍結保存期間を5年と定めているが, 米国なみに10年に延長されれば, まれな血液型血液の備蓄に非常に有用であると考えられる. また, 解凍赤血球浮遊液あるいは解凍赤血球濃厚液の有効期間はわが国では調製後12時間とされているが, 米国では従来から解凍後24時間と...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 37; no. 5; pp. 651 - 655
Main Authors 飯田, 俊二, 大谷, 智司, 岡田, 基文, 平井, 健策, 大久保, 康人, 堀木, ちさと, 堀江, 真理子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1991
日本輸血学会
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.37.651

Cover

More Information
Summary:FDA(Food and Drug Administration)では赤血球の凍結保存期間を10年間と規定している. AABB(AMERICAN ASSOCIATION OF BLOOD BANKS)でも1989年STANDARDS1)で輸血用の血液の凍結保存期間を10年と定めている. わが国の生物学的製剤基準2)では, 現在, 赤血球の凍結保存期間を5年と定めているが, 米国なみに10年に延長されれば, まれな血液型血液の備蓄に非常に有用であると考えられる. また, 解凍赤血球浮遊液あるいは解凍赤血球濃厚液の有効期間はわが国では調製後12時間とされているが, 米国では従来から解凍後24時間とされており, これも米国なみに延長されれば, 製造, 供給, 輸血の各段階で余裕が生じ, 血液の有効利用を図ることができると考えられる. 以上のことから, 赤血球の凍結保存期間を5年から10年に延長し, 解凍後の有効期間を解凍後24時間に延長することを目的として, 採血後5年目および10年目の冷凍血を解凍し, 解凍後の品質について検討したので報告する. 材料および方法 1. 原材料 200ml採血由来のまれな血液型の濃厚赤血球にSF-60(扶桑薬品社製凍害保護液, 組成:濃グリセリン60.0, 70%乳酸ナトリウム2.57, 塩化カリウム0.02, 結晶リン酸水素ナトリウム0.26w/v%)を200ml加えて2,300rpm5分間遠心し, 余剰のグリセリンを除去した後, -80°フリーザーで凍結保管した, 採血後5年目および10年目の冷凍血.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.37.651