20歳代で歩行不能となった肢帯型筋ジストロフィー2M型の1症例
症例は29歳男性である.類症の兄が13歳で突然死.幼児期から筋力低下,歩行障害,下腿筋肥大を呈し,Becker型筋ジストロフィーと診断され無治療で経過した.26歳で車椅子使用.27歳時検診で心筋障害を指摘された.29歳時,生検筋免疫染色でのα-dystroglycan欠損とFKTN 遺伝子3-kb挿入/p.Q358P複合へテロ接合型変異から,肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)2M型と診断した.頭部MRIでは片側小脳低形成がみられた.3-kb挿入変異を持つLGMD2Mは骨格筋症状が軽症とされていたが,本例は20歳代で歩行不能となり,既報告症例より重症であった...
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Published in | 臨床神経学 Vol. 50; no. 9; pp. 661 - 665 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2010
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.50.661 |
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Summary: | 症例は29歳男性である.類症の兄が13歳で突然死.幼児期から筋力低下,歩行障害,下腿筋肥大を呈し,Becker型筋ジストロフィーと診断され無治療で経過した.26歳で車椅子使用.27歳時検診で心筋障害を指摘された.29歳時,生検筋免疫染色でのα-dystroglycan欠損とFKTN 遺伝子3-kb挿入/p.Q358P複合へテロ接合型変異から,肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)2M型と診断した.頭部MRIでは片側小脳低形成がみられた.3-kb挿入変異を持つLGMD2Mは骨格筋症状が軽症とされていたが,本例は20歳代で歩行不能となり,既報告症例より重症であった |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.50.661 |