非拡張型膵・胆管合流異常症例の臨床病理学的検討

非拡張型の膵・胆管合流異常症(以下合流異常)の診断と治療につき検討したので報告する. 合流異常症例65例のうち非拡張型症例(直接胆道造影にて最大総胆管径が10mm以下)8例を対象とした. 非拡張型合流異常症8例中,男性1例,女性7例であり,平均年齢は52歳であった.症状は腹痛7例,無症状1例であった.術前診断は,すべてERCPにて合流異常と診断した.膵管胆道の合流形態(新古味分類)はIIa 6例,III c1 2例であった. 胆嚢合併病変は,8例中7例に認め,胆嚢癌3例,胆石症,腺筋症,コレステーローシス,ポリープが各1例であった. 術式は,肝外胆管切除と胆道再建が4例,膵頭十二指腸切除術,胆...

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Published in胆道 Vol. 11; no. 2; pp. 167 - 172
Main Authors 原, 均, 仁木, 正己, 左古, 昌蔵, 磯崎, 博司, 石橋, 孝嗣, 大谷, 昌裕, 岡島, 邦雄, 森田, 真照
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1997
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.11.2_167

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Summary:非拡張型の膵・胆管合流異常症(以下合流異常)の診断と治療につき検討したので報告する. 合流異常症例65例のうち非拡張型症例(直接胆道造影にて最大総胆管径が10mm以下)8例を対象とした. 非拡張型合流異常症8例中,男性1例,女性7例であり,平均年齢は52歳であった.症状は腹痛7例,無症状1例であった.術前診断は,すべてERCPにて合流異常と診断した.膵管胆道の合流形態(新古味分類)はIIa 6例,III c1 2例であった. 胆嚢合併病変は,8例中7例に認め,胆嚢癌3例,胆石症,腺筋症,コレステーローシス,ポリープが各1例であった. 術式は,肝外胆管切除と胆道再建が4例,膵頭十二指腸切除術,胆嚢摘出術とリンパ節郭清,胆嚢摘出術・肝部分切除とリンパ節郭清および横行結腸十二指腸部分切除,非切除各1例であった. 細胞動態(PCNA L.I.)は,合流異常合併例の胆嚢は13.8%,胆管は5.9%で,合流異常非合併例より高率であった.以上より,非拡張型の合流異常は,胆嚢に合併病変が多く診断の手がかりとなる.治療は胆嚢,胆管ともに細胞増殖活性の亢進がみられ分流手術が必要である.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.11.2_167