閉塞型睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置に有効な下顎位および体位の検討
目的: 睡眠時無呼吸症候群用口腔内装置の治療顎位として多く使用されている下顎の最大前方移動量の75%前方位を50%前方位としても同等の効果が得られるか否か, および姿勢の変化を加味した際にどのような変化が生じるかについて検討することにある. 方法: 15名の正常者群 (男性9名, 女性6名) と15名の患者群 (男性15名) について, 座位0%前方位, 仰臥位0%前方位, 仰臥位50%前方位, 仰臥位75%前方位, 側臥位0%前方位, 側臥位50%前方位, 側臥位75%前方位の最大中間吸気速度を計測し, 分散分析を用いて評価を行った. 結果: 正常者群の最大中間吸気速度は, 下顎位の変化によ...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 49; no. 5; pp. 736 - 743 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本補綴歯科学会
2005
日本補綴歯科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0389-5386 1883-177X |
DOI | 10.2186/jjps.49.736 |
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Summary: | 目的: 睡眠時無呼吸症候群用口腔内装置の治療顎位として多く使用されている下顎の最大前方移動量の75%前方位を50%前方位としても同等の効果が得られるか否か, および姿勢の変化を加味した際にどのような変化が生じるかについて検討することにある. 方法: 15名の正常者群 (男性9名, 女性6名) と15名の患者群 (男性15名) について, 座位0%前方位, 仰臥位0%前方位, 仰臥位50%前方位, 仰臥位75%前方位, 側臥位0%前方位, 側臥位50%前方位, 側臥位75%前方位の最大中間吸気速度を計測し, 分散分析を用いて評価を行った. 結果: 正常者群の最大中間吸気速度は, 下顎位の変化による影響を受けなかったが, 体位が仰臥位から側臥位に変化することにより増加した. これに対し, 患者群では前方移動量が増加するごとに最大中間吸気速度が増加したが, 体位の変化による影響を受けているとはいえなかった. また, 両群とも50%前方位と75%前方位間に有意差は認められなかった. 結論: 正常者群の最大中間吸気速度は顎位よりも体位の影響を大きく受け, 患者群では逆に顎位め影響を大きく受けた. 前方移動量としては, 下顎の最大前方移動量の50%前方位でも75%前方位を向程度の治療効果が得られることが示唆された. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.49.736 |