血小板輸血後, B型肝炎を発症した再生不良性貧血症例の検討

日本赤十字センター(日赤)では, 輸血用血液の肝炎ウイルス関連の検査はHBs抗原, HBs抗体, HBc抗体, HCV抗体検査が行われている. しかしこれらの検査によってもなお見直し例1)すなわち感染初期のWindow periodの問題が残されている. G.B SCHREIBERら2)はアメリカの主な施設において調査を行い, 輸血によるウイルス感染リスクについて報告している. HBV感染については, スクリーニング検査に合格したドナーからウインドウ期の血液が供給されるリスクを63,000(31,000~147,000)に1人と推定している. 本邦では1996年9月から, 全国の日赤で供血者す...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 44; no. 4; pp. 496 - 500
Main Authors 和田, 恵美子, 後藤, 佳子, 高野, 恭子, 田村, まり子, 加藤, 文代, 鈴木, 義一, 小坂, 邦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1998
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.44.496

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Summary:日本赤十字センター(日赤)では, 輸血用血液の肝炎ウイルス関連の検査はHBs抗原, HBs抗体, HBc抗体, HCV抗体検査が行われている. しかしこれらの検査によってもなお見直し例1)すなわち感染初期のWindow periodの問題が残されている. G.B SCHREIBERら2)はアメリカの主な施設において調査を行い, 輸血によるウイルス感染リスクについて報告している. HBV感染については, スクリーニング検査に合格したドナーからウインドウ期の血液が供給されるリスクを63,000(31,000~147,000)に1人と推定している. 本邦では1996年9月から, 全国の日赤で供血者すべての血液検体を保存するようになった. このLook back Systemによって, 同年10月に行った血小板輸血とB型肝炎発症との因果関係が確認できた再生不良性貧血に症例を経験した. 系Dかおよび今後の問題点について報告する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.44.496