毛布とアルミフィルムの保温効果の比較検討
全身麻酔中に体温は低下あるいは上昇する傾向にあり, とくに, 長時間手術や高齢者および乳幼児の全身麻酔においては体温の変化が著しい1, 2). 体温の上昇については悪性高熱症など重篤な合併症がある. また, 全身麻酔中の体温の低下は, a)代謝, 酸素消費量の減少, b)組織への酸素供給能の変化, c)呼吸循環系の変化, d)肝, 腎機能と薬物代謝の変化などの生理機能の変化を起こす3). さらに, 代謝性アシドーシス, 換気不全が生じる4)可能性もあり, 全身麻酔中の体温低下を抑制, 防止する必要がある. また, ショック時の救命処置においては適切な体温を保持するための保温が必要である5)....
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 53; no. 2; pp. 115 - 119 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
1990
日本温泉気候物理医学会 |
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ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki1962.53.115 |
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Summary: | 全身麻酔中に体温は低下あるいは上昇する傾向にあり, とくに, 長時間手術や高齢者および乳幼児の全身麻酔においては体温の変化が著しい1, 2). 体温の上昇については悪性高熱症など重篤な合併症がある. また, 全身麻酔中の体温の低下は, a)代謝, 酸素消費量の減少, b)組織への酸素供給能の変化, c)呼吸循環系の変化, d)肝, 腎機能と薬物代謝の変化などの生理機能の変化を起こす3). さらに, 代謝性アシドーシス, 換気不全が生じる4)可能性もあり, 全身麻酔中の体温低下を抑制, 防止する必要がある. また, ショック時の救命処置においては適切な体温を保持するための保温が必要である5). そのため, これらの体温の変化について全身麻酔時にはあらかじめ冷却, 加温ブランケットを患者の下に敷いておいて必要に応じて作動させるのがよいとされているが, すべての全身麻酔症例に冷却, 加温ブランケットを用意することは不可能である6)ことから, 手術布や毛布などを重ねて被覆させることにより保温を図ることが多い. |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.53.115 |