筋ジストロフィーの在宅人工呼吸療法における危機管理の現状

筋ジストロフィーの在宅人工呼吸療法実施例においてその危機管理の実態を調査した. アンケート調査の結果, 筋ジストロフィー担当国立療養所など19施設から99例の報告を得た. 92例は非侵襲的人工呼吸, 7例が気管切開例であった. 人工呼吸実施時間は睡眠時のみが40例, 終日実施例は20例であった. 緊急時第一報に対し外来対応であったのは61例, 病棟対応などが7例であった. 一方, 第一報を人工呼吸器メーカー対応としていた例が14例あった. 非常用電源非確保例は59例で, その内2例は終日人工呼吸例であった. 手動式蘇生バッグ非装備例は43例であったが, 終日人工呼吸実施にもかかわらず非装備が2...

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Published in医療 Vol. 55; no. 7; pp. 334 - 337
Main Authors 多田羅, 勝義, 福永, 秀敏, 川井, 充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 2001
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.55.334

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Summary:筋ジストロフィーの在宅人工呼吸療法実施例においてその危機管理の実態を調査した. アンケート調査の結果, 筋ジストロフィー担当国立療養所など19施設から99例の報告を得た. 92例は非侵襲的人工呼吸, 7例が気管切開例であった. 人工呼吸実施時間は睡眠時のみが40例, 終日実施例は20例であった. 緊急時第一報に対し外来対応であったのは61例, 病棟対応などが7例であった. 一方, 第一報を人工呼吸器メーカー対応としていた例が14例あった. 非常用電源非確保例は59例で, その内2例は終日人工呼吸例であった. 手動式蘇生バッグ非装備例は43例であったが, 終日人工呼吸実施にもかかわらず非装備が2例あった. 観察期間中の緊急事態は, 病態急変が14例, 機器トラブルが10例, 停電が2例であった. 在宅人工呼吸療法に対する危機管理体制はまだ充分とはいえない状況と判断した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.55.334