有茎性大腸ポリープの形状変数と栄養動脈径の相関
有茎性大腸ポリープのポリペクトミーにともなう後出血のリスクは, 栄養動脈径に相関することが予想される. 研究の目的は, 有茎性大腸ポリープの形状変数と栄養動脈径の相関を調べ, 出血のリスクファクターを決定することである. 大腸癌手術標本に見られた有茎性ポリープ47病変 (腺腫40例, 腺腫内癌4例, 過形成ポリープ3例) を用いた. ポリープ頭部の横径5.9±2.8mm, 縦径4.8±1.9mmであった. ポリープ茎部の長さ5.8±3.2mm, 直径は2.0±0.5mmであった. 茎部における動脈の最大径は95.7±33.0μmであった. 動脈数は1.4±0.5本であった. 動脈の直径は茎部直...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 60; no. 1; pp. 22 - 26 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2007
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.60.22 |
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Summary: | 有茎性大腸ポリープのポリペクトミーにともなう後出血のリスクは, 栄養動脈径に相関することが予想される. 研究の目的は, 有茎性大腸ポリープの形状変数と栄養動脈径の相関を調べ, 出血のリスクファクターを決定することである. 大腸癌手術標本に見られた有茎性ポリープ47病変 (腺腫40例, 腺腫内癌4例, 過形成ポリープ3例) を用いた. ポリープ頭部の横径5.9±2.8mm, 縦径4.8±1.9mmであった. ポリープ茎部の長さ5.8±3.2mm, 直径は2.0±0.5mmであった. 茎部における動脈の最大径は95.7±33.0μmであった. 動脈数は1.4±0.5本であった. 動脈の直径は茎部直径と正相関 (r=0.36, p<0.0001) することがわかった. それに対し, 動脈の直径とポリープ頭部の最大径との相関は低かった (r=0.12, p>0.05). 有茎性大腸ポリープは, 茎が太くなると栄養血管も太くなることが予測され, ポリペクトミー後の出血のリスクファクターの要因のひとつと考えられた. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.60.22 |