保育現場における幼児の場への意味づけの関連要因 「好きな場所」を中心として
本研究は、園環境のうちの特に場を子どもの視点で捉え直し、子どもが「好きな場所」とする場の特性やその理由等を問うことで、子どもが場を意味づける際の関連要因や「好きな場所」と意味づける構成要素を明らかにすることが目的である。研究協力者3~5歳児 81名に、園内の好きな場所、よく遊ぶ場所、秘密の場所を案内してもらい、写真投影法により得られた画像データ 396枚とインタビューによる言語データから、「好きな場所」を意味づける関連要因、場への意味づけの表現方法の二点から質的に分析した。その結果、幼児が「好きな場所」と意味づける 11の概念が抽出された。「好ましい」と感じる人や物の存在、環境のつくりや体感し...
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Published in | 東京家政学院大学紀要 Vol. 62; no. 62; pp. 35 - 48 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
東京家政学院大学
2022
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2186-1951 2434-7922 |
DOI | 10.32295/kaseigakuinkiyo.62.0_35 |
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Summary: | 本研究は、園環境のうちの特に場を子どもの視点で捉え直し、子どもが「好きな場所」とする場の特性やその理由等を問うことで、子どもが場を意味づける際の関連要因や「好きな場所」と意味づける構成要素を明らかにすることが目的である。研究協力者3~5歳児 81名に、園内の好きな場所、よく遊ぶ場所、秘密の場所を案内してもらい、写真投影法により得られた画像データ 396枚とインタビューによる言語データから、「好きな場所」を意味づける関連要因、場への意味づけの表現方法の二点から質的に分析した。その結果、幼児が「好きな場所」と意味づける 11の概念が抽出された。「好ましい」と感じる人や物の存在、環境のつくりや体感したことの好ましさ、好ましい情動体験が蓄積し、そうした体験に埋め込まれた形で意味が生成され、保育環境が、かけがえのない固有の「生きられる空間」となると考察する。 |
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ISSN: | 2186-1951 2434-7922 |
DOI: | 10.32295/kaseigakuinkiyo.62.0_35 |