蛍光色素diOC2(3)が吸着した油水界面へのアルカリ金属・アルカリ土類金属イオンの促進移動
モノカチオン型の膜電位感受性色素3,3'-ジエチルオキサカルボシアニン{diOC2(3)}を添加した1,2-ジクロロエタン(DCE)|水(W)界面において,水相中の支持電解質カチオン(Li+, Na+, K+, Mg2+, Ca2+)の促進移動と思われる異常に大きなボルタンメトリー波が観察された.このメカニズムを解明するため,交流ボルタンメトリーによる界面の電気二重層容量の測定,及び電位変調蛍光分光測定を行った.その結果,diOC2(3)と油相中の支持電解質アニオン{テトラキス(4-クロロフェニル)ホウ酸}がDCE|W界面に共吸着し,その吸着層にイオンサイズの小さいカチオンがインター...
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| Published in | 分析化学 Vol. 65; no. 2; pp. 71 - 77 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本分析化学会
2016
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0525-1931 |
| DOI | 10.2116/bunsekikagaku.65.71 |
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| Summary: | モノカチオン型の膜電位感受性色素3,3'-ジエチルオキサカルボシアニン{diOC2(3)}を添加した1,2-ジクロロエタン(DCE)|水(W)界面において,水相中の支持電解質カチオン(Li+, Na+, K+, Mg2+, Ca2+)の促進移動と思われる異常に大きなボルタンメトリー波が観察された.このメカニズムを解明するため,交流ボルタンメトリーによる界面の電気二重層容量の測定,及び電位変調蛍光分光測定を行った.その結果,diOC2(3)と油相中の支持電解質アニオン{テトラキス(4-クロロフェニル)ホウ酸}がDCE|W界面に共吸着し,その吸着層にイオンサイズの小さいカチオンがインターカレーションされ,移動が容易になると推察された.この促進効果はアルカリ金属よりもアルカリ土類金属の方が顕著であった. |
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| ISSN: | 0525-1931 |
| DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.65.71 |