対人コミュニケーション・スキルのタスク分析とエゴグラムを活用した診断システムの開発

本研究では,対人援助を責務とする看護学教育に不可欠な対人コミュニケーション・スキルの診断システムを開発した.従来十分時間をかけて教育することが困難な教育課程,曖昧な評価基準,学習の達成感も得がたい学習課題の問題に対処するため,ID(Instructional Design)を用いて,より実践的・客観的な観点で教材開発を行った.エゴグラムを客観的な評価基準とし,学習者のコミュニケーション傾向を診断するプログラムを作成した.看護学生を対象とした運用評価(Web上で5事例をシミュレーション)の結果,エゴグラムパターンを活用することにより客観性のあるフィードバックを可能にしたことが明らかになった.学生...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 30; no. 4; pp. 343 - 353
Main Authors 高橋, 充, 村中, 陽子, 鈴木, 克明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 20.03.2007
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ISSN1349-8290
2189-6453
DOI10.15077/jjet.KJ00004964168

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Summary:本研究では,対人援助を責務とする看護学教育に不可欠な対人コミュニケーション・スキルの診断システムを開発した.従来十分時間をかけて教育することが困難な教育課程,曖昧な評価基準,学習の達成感も得がたい学習課題の問題に対処するため,ID(Instructional Design)を用いて,より実践的・客観的な観点で教材開発を行った.エゴグラムを客観的な評価基準とし,学習者のコミュニケーション傾向を診断するプログラムを作成した.看護学生を対象とした運用評価(Web上で5事例をシミュレーション)の結果,エゴグラムパターンを活用することにより客観性のあるフィードバックを可能にしたことが明らかになった.学生が辿った学習コースのパターンは多様であり,本システムが学生の個別性に対応できることもわかった.その結果から,IDの手法は看護学領域の実践的な問題を改善する方法として効果的であり,その適応性が示唆された.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.KJ00004964168