仙台市における三歳児健診の現況

仙台市において, 4,503名の3歳児を対象に, ティンパノメトリーとアンケートを用いた耳科健診を行った。 ティンパノグラム異常率は14.4%, アンケート異常率は13%で, 23.6%が要精検として選別された。 ティンパノグラム異常627名中518名 (82.6%) が耳鼻科専門医を受診し, 264名 (51%; 健診児全体の5.8%) が滲出性中耳炎と診断された。 滲出性中耳炎と診断された者の78.2%は無自覚であり, ティンパノメトリーは滲出性中耳炎検出には不可欠であると思われた。 一方, アンケート異常586名中431名 (73.5%) がヒアリングセンターを受検し, うち3分の2に聴...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 35; no. 2; pp. 120 - 126
Main Authors 金子, 豊, 豊嶋, 勝, 小林, 俊光, 石戸谷, 雅子, 沖津, 卓二, 堀, 克孝, 永渕, 正昭, 高坂, 知節
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1992
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.35.120

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Summary:仙台市において, 4,503名の3歳児を対象に, ティンパノメトリーとアンケートを用いた耳科健診を行った。 ティンパノグラム異常率は14.4%, アンケート異常率は13%で, 23.6%が要精検として選別された。 ティンパノグラム異常627名中518名 (82.6%) が耳鼻科専門医を受診し, 264名 (51%; 健診児全体の5.8%) が滲出性中耳炎と診断された。 滲出性中耳炎と診断された者の78.2%は無自覚であり, ティンパノメトリーは滲出性中耳炎検出には不可欠であると思われた。 一方, アンケート異常586名中431名 (73.5%) がヒアリングセンターを受検し, うち3分の2に聴力または言語に何らかの異常を認め, 4名 (健診児全体の0.09%) の一側感音難聴が新たに発見された。 これらの結果から, ティンパノメトリーとアンケートを併用した本健診は, 滲出性中耳炎や聴力・言語異常の検出に効率的なシステムであると考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.35.120