初老期に片側舞踏運動で発症したもやもや病の1例

症例は61歳女性である.右上下肢の舞踏運動が突然出現したため当院に入院した.頭部MRIで急性期病変はなかったが,脳血管造影で両側中大脳動脈起始部に高度狭窄をみとめ,同部位にもやもや血管をみとめた.ハロペリドール(0.75mg/日)内服で症状は軽快した.発症1カ月後の脳血流SPECTで左基底核に血流増加をみとめた.舞踏運動で発症するもやもや病は高齢者ではまれである.本症例では脳血流SPECTで患側基底核に血流増加をみとめ,ドパミンD2受容体遮断薬が著効したことから,もやもや血管による線条体の機能異常により舞踏運動を発症したものと考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 52; no. 1; pp. 25 - 29
Main Authors 金星, 匡人, 井上, 学, 小島, 康祐, 柴崎, 浩, 神田, 益太郎, 中川, 朋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2012
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.52.25

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Summary:症例は61歳女性である.右上下肢の舞踏運動が突然出現したため当院に入院した.頭部MRIで急性期病変はなかったが,脳血管造影で両側中大脳動脈起始部に高度狭窄をみとめ,同部位にもやもや血管をみとめた.ハロペリドール(0.75mg/日)内服で症状は軽快した.発症1カ月後の脳血流SPECTで左基底核に血流増加をみとめた.舞踏運動で発症するもやもや病は高齢者ではまれである.本症例では脳血流SPECTで患側基底核に血流増加をみとめ,ドパミンD2受容体遮断薬が著効したことから,もやもや血管による線条体の機能異常により舞踏運動を発症したものと考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.52.25