機能性尿失禁患者の排尿パターンの把握とトイレット訓練プログラムの開発

尿失禁に関心をもったのは10年位前だろうか, 老人看護学を教授するようになって特別養護老人ホームをいくつか訪問した際, 入居者の尿失禁の多さに驚かされた. 栃木県内の老人病院, 老人保健施設, 特別養護老人ホームを対象に老人施設における尿失禁と排尿ケアに関する実態調査1)を行ったが, 表1に示すように対象の半数弱がおむつを使用していた. 結果は日本公衆衛生協会が行った全国調査2)と一致していて, 施設入居者の尿失禁の発生率は30%~70%に及ぶと推定されている. 尿失禁は生命にどうこういうことはないが, 身体的に不快であるばかりでなく, 自己尊厳の低下を始め老年期のQOLを著しく低下させる問題...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 48; no. 2; pp. 175 - 177
Main Author 小泉, 美佐子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 1998
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.48.175

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Summary:尿失禁に関心をもったのは10年位前だろうか, 老人看護学を教授するようになって特別養護老人ホームをいくつか訪問した際, 入居者の尿失禁の多さに驚かされた. 栃木県内の老人病院, 老人保健施設, 特別養護老人ホームを対象に老人施設における尿失禁と排尿ケアに関する実態調査1)を行ったが, 表1に示すように対象の半数弱がおむつを使用していた. 結果は日本公衆衛生協会が行った全国調査2)と一致していて, 施設入居者の尿失禁の発生率は30%~70%に及ぶと推定されている. 尿失禁は生命にどうこういうことはないが, 身体的に不快であるばかりでなく, 自己尊厳の低下を始め老年期のQOLを著しく低下させる問題であり, 介護負担も大きい. 折しも, 尿失禁の診断・治療, ケアが急に普及しだした頃で, 英国で尿失禁ケアを専門的に学んでこられた西村かおるさんを知り, 彼女が主催したコンチネンス・セミナーに参加する機会を得て, 老年者の尿失禁ケアについても学習した.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.48.175