虫垂杯細胞カルチノイド腹膜播種再発に対し化学療法が奏効した1例
症例は72歳,男性.繰り返す腹痛を主訴に受診した.精査の結果,回盲部癌と診断され,当科にて腹腔鏡下回盲部切除術,D3郭清を施行した.術中横行結腸間膜に白色結節を認めたため,合併切除した.病理組織学的検査の結果,虫垂杯細胞カルチノイド(goblet cell carcinoid:GCC)および腹膜播種の診断であった.術後補助化学療法は施行せず,経過観察とした.しかし,術後1年目に腹膜播種再発を認めたため,mFOLFOX6+Bevacizumab療法を開始した.再発より12ヵ月が経過した時点で,播種病変は著明に縮小しており,化学療法は奏効していると考えられる.GCCは悪性度が高く予後不良な疾患であ...
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| Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 69; no. 6; pp. 309 - 313 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本大腸肛門病学会
2016
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI | 10.3862/jcoloproctology.69.309 |
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| Summary: | 症例は72歳,男性.繰り返す腹痛を主訴に受診した.精査の結果,回盲部癌と診断され,当科にて腹腔鏡下回盲部切除術,D3郭清を施行した.術中横行結腸間膜に白色結節を認めたため,合併切除した.病理組織学的検査の結果,虫垂杯細胞カルチノイド(goblet cell carcinoid:GCC)および腹膜播種の診断であった.術後補助化学療法は施行せず,経過観察とした.しかし,術後1年目に腹膜播種再発を認めたため,mFOLFOX6+Bevacizumab療法を開始した.再発より12ヵ月が経過した時点で,播種病変は著明に縮小しており,化学療法は奏効していると考えられる.GCCは悪性度が高く予後不良な疾患であるが,治療方針は確立していない.GCCは再発症例においても大腸癌に準じ,分子標的薬を併用した化学療法が有用である可能性が示唆された. |
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| ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI: | 10.3862/jcoloproctology.69.309 |