日本人のIgA欠損献血者のHLA抗原型

IgA欠損症は免疫グロブリン欠損症の中では最も頻度が高く, 他の疾患と関連していたり健常人にも認められることがある. IgA欠損患者が抗IgA抗体を保有する場合, 輸血によるアナフィラキシーショックの原因になることがあり, 特に血漿を輸血する場合はIgA欠損供血者から採血したIgA蛋白を含まない血液が適応になる1)2). したがって, IgA欠損患者の安全な輸血のためにはIgA欠損供血者の確保が必要である3). このため, 埼玉県熊谷赤十字血液センターでは献血者を対象にIgA欠損スクリーニングを行い, 献血者におけるIgA欠損の頻度や抗体保有率, 年令や血液型との関連など我が国のIgA欠損の特...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 48; no. 3; pp. 298 - 303
Main Authors 奥山, 美樹, 野本, 喜代, 村田, 愿, 柿崎, 眞吾, 小澤, 直宏, 佐久間, 香枝, 二上, 由紀, 寺谷, 美雪, 佐藤, 博美, 前川, 孝子, 須藤, 克己, 比留間, 潔, 小野寺, 由美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2002
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.48.298

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Summary:IgA欠損症は免疫グロブリン欠損症の中では最も頻度が高く, 他の疾患と関連していたり健常人にも認められることがある. IgA欠損患者が抗IgA抗体を保有する場合, 輸血によるアナフィラキシーショックの原因になることがあり, 特に血漿を輸血する場合はIgA欠損供血者から採血したIgA蛋白を含まない血液が適応になる1)2). したがって, IgA欠損患者の安全な輸血のためにはIgA欠損供血者の確保が必要である3). このため, 埼玉県熊谷赤十字血液センターでは献血者を対象にIgA欠損スクリーニングを行い, 献血者におけるIgA欠損の頻度や抗体保有率, 年令や血液型との関連など我が国のIgA欠損の特徴を調査してきた4)~7). 近年, 欧米においては白人種でIgA欠損とHLA抗原型との関係が指摘され, その病態にHLA-A1, B8, DR3のハプロタイプが密接に関与するという報告がある8)~13). しかし, 我が国においてはIgA欠損症の頻度が低く, 症例が集積されないことも関連しHLA抗原型を検討した報告は全くない.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.48.298