肝門部胆管癌切除例の検討

教室で経験した肝門部胆管癌切除例で,治療後の予後に及ぼす因子を明らかにする目的で,臨床病理学的検討を行った.肝門部胆管癌42例を対象とした.うち切除例は25例であったが,治癒切除がえられたものは6例のみであった.切除例25例の深達度はss9例,se8例,si8例であり,ss症例では9例中4例に治癒切除がえられたが,hm,dmとも陽性となった症例も2例みられた.se+si症例は,16例中14例が罪治癒切除に終わった.治癒切除がえられた6例の1,3,5年生存率はそれぞれ83.3%,83.3%,55.6%であったのに対して,非治癒切除19例の1,3,5年生存率は55.7%,5.6%,0%と不良であっ...

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Published in胆道 Vol. 16; no. 2; pp. 87 - 93
Main Authors 二川, 俊二, 渡辺, 繁, 別府, 倫兄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2002
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.16.2_87

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Summary:教室で経験した肝門部胆管癌切除例で,治療後の予後に及ぼす因子を明らかにする目的で,臨床病理学的検討を行った.肝門部胆管癌42例を対象とした.うち切除例は25例であったが,治癒切除がえられたものは6例のみであった.切除例25例の深達度はss9例,se8例,si8例であり,ss症例では9例中4例に治癒切除がえられたが,hm,dmとも陽性となった症例も2例みられた.se+si症例は,16例中14例が罪治癒切除に終わった.治癒切除がえられた6例の1,3,5年生存率はそれぞれ83.3%,83.3%,55.6%であったのに対して,非治癒切除19例の1,3,5年生存率は55.7%,5.6%,0%と不良であった.教室の肝門部胆管癌の全例が診断時点で進行癌であり,肝切除を加えても胆管断端陽性で非治癒切除となる症例が多く,非切除内(外)瘻の造設例との聞で治療後の予後の差は認められなかった.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.16.2_87