大腸癌化学療法中のストーマ保有者に対するストーマ管理

化学療法に使用する薬剤は尿や便から排泄される.ストーマ保有者は,排泄経路の変更に伴い手指で排泄物に接触する頻度が増加する.大腸癌化学療法中の排泄管理やストーマ装具交換の指導についてはこれまでほとんど報告がない.われわれは2013年4月から2014年9月までの期間で,ストーマ保有者で化学療法中の大腸癌患者17名(一時的ストーマ8名,永久ストーマ9名)にアンケート調査を行い,排泄管理・ストーマ管理の現状把握を行った.永久ストーマの中には,膀胱癌手術による回腸導管保有者を2人含んでいた.アンケートに答えた患者は,化学療法薬剤の排泄に関する知識はほとんどなく,化学療法中であっても特別な管理を行っていな...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 68; no. 5; pp. 299 - 305
Main Authors 向坂, 英樹, 立原, 敦美, 小山, 拓弥, 賀川, 義規, 渡邉, 光子, 加納, 徳美, 弘岡, 貴子, 下川, 福子, 加藤, 健志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2015
Subjects
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.68.299

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Summary:化学療法に使用する薬剤は尿や便から排泄される.ストーマ保有者は,排泄経路の変更に伴い手指で排泄物に接触する頻度が増加する.大腸癌化学療法中の排泄管理やストーマ装具交換の指導についてはこれまでほとんど報告がない.われわれは2013年4月から2014年9月までの期間で,ストーマ保有者で化学療法中の大腸癌患者17名(一時的ストーマ8名,永久ストーマ9名)にアンケート調査を行い,排泄管理・ストーマ管理の現状把握を行った.永久ストーマの中には,膀胱癌手術による回腸導管保有者を2人含んでいた.アンケートに答えた患者は,化学療法薬剤の排泄に関する知識はほとんどなく,化学療法中であっても特別な管理を行っていなかった.また,ストーマ管理に家族が17名中7名(41.2%)にかかわっていた.化学療法で使用する薬剤の不必要な曝露は可能な限り回避すべきであり,今後患者と家族に対する指導がより重要であると考える.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.68.299