日本における大腸癌に対する腹腔鏡手術適応の現状─第85回大腸癌研究会アンケート調査より

目的:日本臨床腫瘍研究グループの「進行大腸がんに対する腹腔鏡下手術と開腹手術の根治性に関するランダム化比較試験」(JCOG0404試験)では進行結腸癌手術における開腹手術に対する腹腔鏡手術(Lap)の非劣性が証明できなかったが,大腸癌研究会会員施設でこれをどうとらえ適応を決めているか,郵送にてアンケート調査を行った.結果:外科系会員施設418施設中198施設から回答を得た.進行癌を適応としている施設は194であった.JCOG0404の結果で適応を変更した施設は16(8%)で,今回の結果だけでは適応を変える根拠に乏しいと回答した施設は130(65.7%)であった.Lapが進行癌の標準術式になると...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 70; no. 4; pp. 205 - 213
Main Authors 山野, 智基, 野田, 雅史, 小林, 政義, 濱中, 美千子, 塚本, 潔, 馬場谷, 彰仁, 杉原, 健一, 松原, 長秀, 木村, 慶, 冨田, 尚裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2017
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.70.205

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Summary:目的:日本臨床腫瘍研究グループの「進行大腸がんに対する腹腔鏡下手術と開腹手術の根治性に関するランダム化比較試験」(JCOG0404試験)では進行結腸癌手術における開腹手術に対する腹腔鏡手術(Lap)の非劣性が証明できなかったが,大腸癌研究会会員施設でこれをどうとらえ適応を決めているか,郵送にてアンケート調査を行った.結果:外科系会員施設418施設中198施設から回答を得た.進行癌を適応としている施設は194であった.JCOG0404の結果で適応を変更した施設は16(8%)で,今回の結果だけでは適応を変える根拠に乏しいと回答した施設は130(65.7%)であった.Lapが進行癌の標準術式になるとした施設は164/198(83%)であった.Lapの割合は結果前と結果後で大きな変化はなかった.結語:大腸癌研究会会員施設ではJCOG0404試験の結果でLapの適応を縮小する施設は少なかった.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.70.205