大腸癌手術後早期経口摂取への取り組みにおける周術期輸液と体重変化の検討
目的:大腸癌手術の術後回復強化プログラムの一つに早期経口摂取が示されている.また周術期の過剰輸液防止が術後腸管浮腫やイレウス予防になるとされている.周術期輸液量や術後の体重変化と早期経口摂取の可否についての検討した.対象と方法:2009年11月から2010年6月に当科で施行した待機大腸癌手術90例を対象とした.早期経口摂取不可能群14例と可能群76例を比較検討した.結果:多変量解析において年齢・手術方法(開腹/腹腔鏡下)・一日輸液量(HR=0.13,95%CI=0.03-0.64 p=0.01)に有意差を認めた.また開腹手術での術後7日間の体重変化を比較すると,早期経口摂取不可能群では術後3日...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 65; no. 7; pp. 349 - 354 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2012
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.65.349 |
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Summary: | 目的:大腸癌手術の術後回復強化プログラムの一つに早期経口摂取が示されている.また周術期の過剰輸液防止が術後腸管浮腫やイレウス予防になるとされている.周術期輸液量や術後の体重変化と早期経口摂取の可否についての検討した.対象と方法:2009年11月から2010年6月に当科で施行した待機大腸癌手術90例を対象とした.早期経口摂取不可能群14例と可能群76例を比較検討した.結果:多変量解析において年齢・手術方法(開腹/腹腔鏡下)・一日輸液量(HR=0.13,95%CI=0.03-0.64 p=0.01)に有意差を認めた.また開腹手術での術後7日間の体重変化を比較すると,早期経口摂取不可能群では術後3日目までに平均1kg以上の増加を認めるのに対して可能群では平均1kg未満の体重増加であった.結語:術後早期に体重を増加させない周術期輸液管理が早期経口摂取を可能にすると考える. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.65.349 |