胆嚢癌における,いわゆる埋没胆嚢の病理学的検討
担癌胆嚢が肝内に埋没していることがある. これは肝内に埋没した胆嚢から癌が発生したのか, あるいは癌が胆嚢に発生後に担癌胆嚢が肝内に埋没したのか明らかでなかった. 今回, 胆嚢癌剖検6例ならびに胆嚢癌手術(胆嚢摘出術+肝床切除術)13例で病理学的に検討した. 胆嚢の埋没を胆嚢の1/3以上が肝内に入っているものとすると, 胆嚢癌剖検6例中4例と手術13例中2例に認められた. これらはいずれも癌が連続的に, かつmassiveに肝内に及んでいるもので, 肝被膜弾性線維の断裂・消失と, 種々の程度に癌の壊死と線維化が認められた. 線維化巣には免疫組織化学的に筋線維芽細胞のマーカーであるα-平滑筋アク...
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          | Published in | 胆道 Vol. 19; no. 1; pp. 23 - 27 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本胆道学会
    
        2005
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0914-0077 1883-6879  | 
| DOI | 10.11210/tando1987.19.1_23 | 
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| Summary: | 担癌胆嚢が肝内に埋没していることがある. これは肝内に埋没した胆嚢から癌が発生したのか, あるいは癌が胆嚢に発生後に担癌胆嚢が肝内に埋没したのか明らかでなかった. 今回, 胆嚢癌剖検6例ならびに胆嚢癌手術(胆嚢摘出術+肝床切除術)13例で病理学的に検討した. 胆嚢の埋没を胆嚢の1/3以上が肝内に入っているものとすると, 胆嚢癌剖検6例中4例と手術13例中2例に認められた. これらはいずれも癌が連続的に, かつmassiveに肝内に及んでいるもので, 肝被膜弾性線維の断裂・消失と, 種々の程度に癌の壊死と線維化が認められた. 線維化巣には免疫組織化学的に筋線維芽細胞のマーカーであるα-平滑筋アクチンが発現していた. コントロールの剖検9例では埋没例はなく, また肝被膜の弾性線維が保たれていた. 以上より, 癌の壊死による容積の縮小と線維化部分に発現した筋線維芽細胞の収縮能等により, 胆嚢癌が発生し肝浸潤後に担癌胆嚢が埋没した可能性が高いと考えられた. | 
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| ISSN: | 0914-0077 1883-6879  | 
| DOI: | 10.11210/tando1987.19.1_23 |