Helicobacter pylori感染症の2次除菌治療後に出血性大腸炎を発症した3例
当院で2013年2月から2015年1月までの2年間にHelicobacter pylori(以下,H.pylori)感染症に対し,Metronidazole を用いた2次除菌治療を行った症例は314例であった.そのうち3例が抗生物質起因性出血性大腸炎(antibiotic-associated hemorrhagic colitis:以下,AAHC)を発症した.症例1は58歳女性,症例2は54歳男性,症例3は59歳女性で,全例2次除菌治療終了後に腹痛,血性下痢にて発症した.大腸内視鏡検査または腹部CT検査にて,上行結腸からS状結腸までに浮腫や腸管壁の肥厚を認めた.治療は絶食,補液,酪酸菌製剤投...
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| Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 68; no. 6; pp. 419 - 424 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本大腸肛門病学会
2015
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI | 10.3862/jcoloproctology.68.419 |
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| Summary: | 当院で2013年2月から2015年1月までの2年間にHelicobacter pylori(以下,H.pylori)感染症に対し,Metronidazole を用いた2次除菌治療を行った症例は314例であった.そのうち3例が抗生物質起因性出血性大腸炎(antibiotic-associated hemorrhagic colitis:以下,AAHC)を発症した.症例1は58歳女性,症例2は54歳男性,症例3は59歳女性で,全例2次除菌治療終了後に腹痛,血性下痢にて発症した.大腸内視鏡検査または腹部CT検査にて,上行結腸からS状結腸までに浮腫や腸管壁の肥厚を認めた.治療は絶食,補液,酪酸菌製剤投与を行った.数日で軽快し,予後は良好であった.H.pylori感染症に対する2次除菌治療後に発症したAAHCの報告は稀であるが,今後増加すると考えられ,注意すべき副作用である. |
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| ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI: | 10.3862/jcoloproctology.68.419 |