MRI検査および超音波検査が有用であった肛門部子宮内膜症の1例

症例は40歳の女性.2回の経膣分娩と会陰切開歴あり.肛門部の会陰切開痕に月経時に痛みを伴う硬結を認め,痔瘻を疑われ当院を紹介された.肛門部超音波検査ならびにジャックナイフ位MRI検査で10時方向の浅外肛門括約筋の外側尾側部に病変を認めた.外科的に完全に切除したが,肛門括約筋形成術は施行しなかった.病理は子宮間質と子宮腺管を認め,子宮内膜症であった.術後便失禁は認めなかった.会陰切開時の機械的移植による発生機序が想定された.鑑別診断や肛門括約筋迷入の評価に超音波検査とMRIは有用である....

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 69; no. 4; pp. 227 - 230
Main Authors 荒木, 吉朗, 加川, 隆三郎, 友井, 正弘, 安井, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2016
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.69.227

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Summary:症例は40歳の女性.2回の経膣分娩と会陰切開歴あり.肛門部の会陰切開痕に月経時に痛みを伴う硬結を認め,痔瘻を疑われ当院を紹介された.肛門部超音波検査ならびにジャックナイフ位MRI検査で10時方向の浅外肛門括約筋の外側尾側部に病変を認めた.外科的に完全に切除したが,肛門括約筋形成術は施行しなかった.病理は子宮間質と子宮腺管を認め,子宮内膜症であった.術後便失禁は認めなかった.会陰切開時の機械的移植による発生機序が想定された.鑑別診断や肛門括約筋迷入の評価に超音波検査とMRIは有用である.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.69.227