振戦様ミオクローヌスと稀発大発作とをみとめたUnverricht-Lundborg病の成人例

症例は23歳女性である.9歳時に両上肢の細かな震えを自覚し,11歳から稀発大発作も合併した.バルプロ酸を服用し17歳以降で大発作は消失したが,上肢の不随意運動が緩徐に増悪した.運動・感覚神経系正常,両上肢に動作・姿勢時振戦様ミオクローヌスをみとめた,失調は顕著でなかった.知能はほぼ正常,脳波で間欠性全般徐波,正中神経の電気刺激で巨大SEPをみとめた.同意の上おこなった遺伝子検査で,Cystatin B遺伝子の12塩基くりかえし配列にホモ接合体での延長をみとめ,Unverricht-Lundborg病と診断した.本例のように振戦・稀発大発作が中心で,精神遅滞や小脳症状がめだたないばあいでも積極的...

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Published in臨床神経学 Vol. 49; no. 1; pp. 43 - 47
Main Authors 高橋, 良輔, 近藤, 孝之, 山門, 穂高, 池田, 昭夫, 川又, 純, 冨本, 秀和, 人見, 健文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2009
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.49.43

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Summary:症例は23歳女性である.9歳時に両上肢の細かな震えを自覚し,11歳から稀発大発作も合併した.バルプロ酸を服用し17歳以降で大発作は消失したが,上肢の不随意運動が緩徐に増悪した.運動・感覚神経系正常,両上肢に動作・姿勢時振戦様ミオクローヌスをみとめた,失調は顕著でなかった.知能はほぼ正常,脳波で間欠性全般徐波,正中神経の電気刺激で巨大SEPをみとめた.同意の上おこなった遺伝子検査で,Cystatin B遺伝子の12塩基くりかえし配列にホモ接合体での延長をみとめ,Unverricht-Lundborg病と診断した.本例のように振戦・稀発大発作が中心で,精神遅滞や小脳症状がめだたないばあいでも積極的に本症をうたがう必要があると考えた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.49.43