ソマトスタチン受容体シンチグラフィが診断に有用であった直腸neuroendocrine tumor術後側方リンパ節転移の1切除例

症例は36歳男性.血便に対し施行した下部消化管内視鏡で下部直腸に15mmの粘膜下腫瘍を認め,生検でNET G1と診断.CTで左閉鎖リンパ節腫大を認めたが,石灰化を伴い,PETではSUVmax2未満,MRIでは拡散制限を認めず,増大時切除の方針とし,ロボット支援下腹会陰式直腸切断術(D3LD0)を施行.病理診断はNET G2,pStageⅢB.補助療法としてcapecitabine療法を施行.術後7ヵ月のCTで左閉鎖リンパ節の増大を認め,ソマトスタチン受容体シンチグラフィで集積を認めた.以上より左閉鎖リンパ節転移と診断し切除した.病理診断は直腸NETの転移であった.これまでNETの側方リンパ節転...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 74; no. 8; pp. 461 - 468
Main Authors 山中, 正二, 湯川, 寛夫, 渥美, 陽介, 玉川, 洋, 沼田, 正勝, 河原, 慎之輔, 風間, 慶祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2021
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.74.461

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Summary:症例は36歳男性.血便に対し施行した下部消化管内視鏡で下部直腸に15mmの粘膜下腫瘍を認め,生検でNET G1と診断.CTで左閉鎖リンパ節腫大を認めたが,石灰化を伴い,PETではSUVmax2未満,MRIでは拡散制限を認めず,増大時切除の方針とし,ロボット支援下腹会陰式直腸切断術(D3LD0)を施行.病理診断はNET G2,pStageⅢB.補助療法としてcapecitabine療法を施行.術後7ヵ月のCTで左閉鎖リンパ節の増大を認め,ソマトスタチン受容体シンチグラフィで集積を認めた.以上より左閉鎖リンパ節転移と診断し切除した.病理診断は直腸NETの転移であった.これまでNETの側方リンパ節転移は12例の報告があり,いずれもCT/FDG-PET/MRIで診断されていた.今回,ソマトスタチン受容体シンチグラフィが転移診断に有用であった1例を経験した.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.74.461