結腸ストーマ脱出に対し自動縫合器による修復術を施行した2例

近年,ストーマ脱出に対する自動縫合器を用いた修復術は短期ではあるものの良好な成績が示されており,自施設で施行し良好な経過を得た2例を経験したので報告する.症例1は84歳の男性で,ストーマは単孔式で右中腹部に造設されており,脱出長は約12cmであった.全身麻酔下にストーマを約14cm程度可能な限り引き出し,腸間膜付着側と90度の位置2ヵ所で自動縫合器を用いて長軸方向に切開し,更に切開した腸管を割の入った高さで短軸方向に切離し手術を終了した.出血量は少量,手術時間は18分であった.症例2は71歳の女性でストーマは双孔式で左中腹部に造設されており,口側が約10cm脱出していた.同様の手技で修復を行い...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 67; no. 5; pp. 330 - 335
Main Authors 中島, 紳太郎, 小菅, 誠, 矢永, 勝彦, 衛藤, 謙, 阿南, 匡, 北川, 和男, 宇野, 能子, 武田, 光正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2014
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.67.330

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Summary:近年,ストーマ脱出に対する自動縫合器を用いた修復術は短期ではあるものの良好な成績が示されており,自施設で施行し良好な経過を得た2例を経験したので報告する.症例1は84歳の男性で,ストーマは単孔式で右中腹部に造設されており,脱出長は約12cmであった.全身麻酔下にストーマを約14cm程度可能な限り引き出し,腸間膜付着側と90度の位置2ヵ所で自動縫合器を用いて長軸方向に切開し,更に切開した腸管を割の入った高さで短軸方向に切離し手術を終了した.出血量は少量,手術時間は18分であった.症例2は71歳の女性でストーマは双孔式で左中腹部に造設されており,口側が約10cm脱出していた.同様の手技で修復を行い,出血量は少量,手術時間は22分であった.いずれも術後の経過は良好で再発を認めていない.同術式はコストの問題はあるが,侵襲性が低く,短期入院で治療が可能であり有効な方法であると考えられた.若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.67.330