大腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻に対する腹腔鏡下手術の3例の経験と本邦報告24例の文献的考察

大腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻3例に対し,腹腔鏡下手術を行った.全例が男性で,平均年齢71歳.主訴は2例が気尿,1例は認めなかった.全例で腹腔鏡下に瘻孔を含めたS状結腸切除を施行後,一期的に腸管吻合した.虚血性腸炎の既往が認められた1例に一時的回腸ストーマを造設した.膀胱に対する瘻孔切除は行わなかったが,再発は認めなかった.手術時間,出血量の中央値は359分(344-403分),120ml(少量-250ml),開腹移行例はなかった.術後合併症はなく,術後在院日数(中央値)は17日(15-19日)であった.本邦報告24例の文献的考察から,腹腔鏡下手術に際し,膀胱に対する瘻孔切除は必ずしも必要では...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 67; no. 8; pp. 536 - 541
Main Authors 船橋, 公彦, 塩川, 洋之, 松田, 聡, 鈴木, 孝之, 金子, 弘真, 小池, 淳一, 新井, 賢一郎, 鏡, 哲, 金子, 奉暁, 甲田, 貴丸, 栗原, 聰元, 牛込, 充則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2014
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.67.536

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Summary:大腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻3例に対し,腹腔鏡下手術を行った.全例が男性で,平均年齢71歳.主訴は2例が気尿,1例は認めなかった.全例で腹腔鏡下に瘻孔を含めたS状結腸切除を施行後,一期的に腸管吻合した.虚血性腸炎の既往が認められた1例に一時的回腸ストーマを造設した.膀胱に対する瘻孔切除は行わなかったが,再発は認めなかった.手術時間,出血量の中央値は359分(344-403分),120ml(少量-250ml),開腹移行例はなかった.術後合併症はなく,術後在院日数(中央値)は17日(15-19日)であった.本邦報告24例の文献的考察から,腹腔鏡下手術に際し,膀胱に対する瘻孔切除は必ずしも必要ではなく,瘻孔を含めたS状結腸切除で良好な結果が得られていた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.67.536