0.3T コンパクトMRIと全身用1.5T MRIとの比較

[目的]四肢専用MRIは、リウマチ診療における全身用MRI(wbMRI)の問題点を克服する手段として臨床応用されている。しかし、撮像視野範囲が狭いなど種々の理由により普及していないのが現状である。このため一度に手全体の撮像が可能であるコンパクトMRI(cMRI)を開発し、その有用性を全身用MRIと比較し検討した。[対象と方法]3名の関節リウマチ(RA)患者において、cMRIとwbMRIを同日撮像した。撮像シークエンスはcMRIでは3Dグラディエントエコー法と3D STIRを用い、wbMRIでは冠状断・水平断それぞれでT1強調スピンエコー法・STIR法、また造影検査も行った。評価法にはコンパクト...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 140
Main Authors 松本, 功, 堀越, 正信, 住田, 孝之, 鈴木, 豪, 杉原, 誠人, 後藤, 大輔, 林, 太智, 伊藤, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2009
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.37.0.140.0

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Summary:[目的]四肢専用MRIは、リウマチ診療における全身用MRI(wbMRI)の問題点を克服する手段として臨床応用されている。しかし、撮像視野範囲が狭いなど種々の理由により普及していないのが現状である。このため一度に手全体の撮像が可能であるコンパクトMRI(cMRI)を開発し、その有用性を全身用MRIと比較し検討した。[対象と方法]3名の関節リウマチ(RA)患者において、cMRIとwbMRIを同日撮像した。撮像シークエンスはcMRIでは3Dグラディエントエコー法と3D STIRを用い、wbMRIでは冠状断・水平断それぞれでT1強調スピンエコー法・STIR法、また造影検査も行った。評価法にはコンパクトMRIスコ(cMRIS)を用いた。cMRISはOMERACT RAMRISを改変した、手関節からPIP関節を対象とした評価法である。評価対象はRAMRISと同様に骨びらん・骨髄浮腫・滑膜炎であるが、cMRISでは骨びらんも骨髄浮腫・滑膜炎同様に0から3の4段階で評価する。κ統計量を使用し、関節単位で一致率を検討した。[結果]骨びらんと骨髄浮腫は合計69か所の評価を行った。総骨びらん点数はwbMRI 76.5、cMRI 77で優れた一致を認めた(κ=0.833)。骨髄浮腫では5か所で偽陰性を認めたが、総骨髄浮腫点数はwbMRI 47.5、cMRI 36で良好な一致を認めた(κ=0.640)。滑膜炎は合計33か所の評価を行い、偽陽性2か所、偽陰性2か所認めたが、総滑膜炎点数はwbMRI 32、cMRI 30で優れた一致を認めた(κ=0.827)。[結語]手全体の撮像が可能であるcMRIを開発した。cMRIはwbMRIと比較して同等の診断能を有し、RAの診断・活動性評価に有用である。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.37.0.140.0