新規炎症性サブセットTh17を加えた新たな膠原病分類の試みと生物製剤投与によるサイトカインプロファイル変化の解析

免疫反応を制御する主役の細胞の1つであるヘルパーT細胞には各種のサブセットがあることが知られており、従来関節リウマチ(RA)はTh1型、全身性エリテマトーデス(SLE)はTh2型の疾患であると考えられてきた。しかし、幾つかの矛盾した報告があることや、近年Th17という新規炎症性Thサブセットの存在が明らかとなったことから、このサブセットを考慮に入れて膠原病を分類し直す必要がある。 そこで我々は膠原病患者の末梢血を検体とし、それぞれのサブセットが産生する代表的なサイトカインであるIFN-γ, IL-4, IL-17などの発現をELISA、Real Time PCR、フローサイトメトリーの各手法を...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 36; p. 167
Main Authors 秋山, 雄次, 進藤, 靖史, 三村, 俊英, 秋葉, 春彦, 吉田, 佳弘, 佐藤, 浩二郎, 三由, 文彦, 横田, 和浩, 淺沼, ゆう, 中嶋, 京一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2008
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.36.0.167.0

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Summary:免疫反応を制御する主役の細胞の1つであるヘルパーT細胞には各種のサブセットがあることが知られており、従来関節リウマチ(RA)はTh1型、全身性エリテマトーデス(SLE)はTh2型の疾患であると考えられてきた。しかし、幾つかの矛盾した報告があることや、近年Th17という新規炎症性Thサブセットの存在が明らかとなったことから、このサブセットを考慮に入れて膠原病を分類し直す必要がある。 そこで我々は膠原病患者の末梢血を検体とし、それぞれのサブセットが産生する代表的なサイトカインであるIFN-γ, IL-4, IL-17などの発現をELISA、Real Time PCR、フローサイトメトリーの各手法を用いて定量した。その結果、RA、SLE、ベーチェット病においてTh1/2/17比にそれぞれ特徴的なパターンが見られた。更に生物製剤(レミケード)投与前後のRA患者で同プロファイルを比較検討したところ、治療後にサイトカイン発現が増加する症例が多いという意外な結果が得られた。現在この現象のメカニズムを解析中である。
Bibliography:2-52
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.36.0.167.0