ブレオマイシン(BLM)誘発強皮症マウスモデルにおける細胞接着分子の役割に関する検討

ICAM-1、PSGL-1、L-、P-及びE-selectinノックアウトマウスを用いてブレオマイシン誘発強皮症モデルを作製し、皮膚、肺線維化における接着分子の役割を検討した。L-selectin及びICAM-1ノックアウトマウスでは皮膚、肺への炎症細胞浸潤、線維化ともに野生型マウスに比べ有意に抑制されており、PSGL-1、P-及びE-selectinノックアウトマウスでは有意に亢進していた。皮膚、肺、血清中のサイトカイン産生において、L-selectin及びICAM-1ノックアウトマウスではTh1偏倚を認め、PSGL-1、P-及びE-selectinノックアウトマウスではTh2、Th17偏倚...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 178
Main Authors 簗場, 広一, 佐藤, 伸一, 小川, 文秀, 小村, 一浩, 室井, 栄治, 吉崎, 歩, 岩田, 洋平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2009
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.37.0.178.0

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Summary:ICAM-1、PSGL-1、L-、P-及びE-selectinノックアウトマウスを用いてブレオマイシン誘発強皮症モデルを作製し、皮膚、肺線維化における接着分子の役割を検討した。L-selectin及びICAM-1ノックアウトマウスでは皮膚、肺への炎症細胞浸潤、線維化ともに野生型マウスに比べ有意に抑制されており、PSGL-1、P-及びE-selectinノックアウトマウスでは有意に亢進していた。皮膚、肺、血清中のサイトカイン産生において、L-selectin及びICAM-1ノックアウトマウスではTh1偏倚を認め、PSGL-1、P-及びE-selectinノックアウトマウスではTh2、Th17偏倚を認めた。さらに気管支肺胞洗浄液中のT細胞の検討ではL-selectin及びICAM-1ノックアウトマウスでTh2細胞とTh17細胞の減少とTh1細胞の増加が、PSGL-1、P-及びE-selectinノックアウトマウスでTh1細胞の減少とTh2、Th17細胞の増加が認められた。野生型脾臓抽出T細胞を用いた検討では、Th1細胞でPSGL-1の高発現とLFA-1の低発現が、Th2、Th17細胞でLFA-1の高発現とPSGL-1の低発現が認められた。このことから、BLM誘発強皮症モデルにおいて、これらの細胞接着分子はThバランスを制御することで皮膚および肺の線維化に関与していることが示唆された。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.37.0.178.0