クロスプロファイル解析において同定されたタンパク質セグメントの収斂進化
「1. はじめに」生物のゲノムにコードされているタンパク質は進化の所産であり, 一般に, 必要な構造や機能が保持される限り許されるアミノ酸置換が起こっている. 配列解析の分野では, こうしたアミノ酸配列の進化情報の利用は, 遠縁タンパク質の検出や2次構造予測, コンタクト予測等に有効であることが知られている. 遠縁タンパク質の検出には, タンパク質アミノ酸配列のマルチプルアラインメントから計算されるプロファイルと称されるスコアテーブルが利用される. ここでプロファイルとは, 一般に, 同族であると推測されるアミノ酸配列のマルチプルアラインメントの各残基位置における20種類のアミノ酸ごとの出現傾...
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Published in | 生物物理 Vol. 53; no. 2; pp. 101 - 102 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本生物物理学会
2013
日本生物物理学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0582-4052 1347-4219 |
DOI | 10.2142/biophys.53.101 |
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Summary: | 「1. はじめに」生物のゲノムにコードされているタンパク質は進化の所産であり, 一般に, 必要な構造や機能が保持される限り許されるアミノ酸置換が起こっている. 配列解析の分野では, こうしたアミノ酸配列の進化情報の利用は, 遠縁タンパク質の検出や2次構造予測, コンタクト予測等に有効であることが知られている. 遠縁タンパク質の検出には, タンパク質アミノ酸配列のマルチプルアラインメントから計算されるプロファイルと称されるスコアテーブルが利用される. ここでプロファイルとは, 一般に, 同族であると推測されるアミノ酸配列のマルチプルアラインメントの各残基位置における20種類のアミノ酸ごとの出現傾向をスコア化したものであり, 進化上許容された, 残基位置特異的なアミノ酸の置換パターンが表現されているものと考えられる. 高速近似局所アラインメント法であるBLASTが, このプロファイルと逐次的探索を組み合わせることで, 非常に強力な遠縁配列検出法であるPSI-BLAST1)に発展したことは, 周知の通りであろう. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.53.101 |