膵・胆管合流異常に膵管非癒合を合併した1症例

膵・胆管合流異常に膵管非癒合を合併した1症例を経験した. 症例は27歳女性. 右季肋部痛を主訴に近医受診し, 腹部超音波検査にて総胆管の拡張を指摘され, 精査加療のため当科に紹介された. ERCPでは, 総胆管は主乳頭開口部より約2.5cmの部位で膵管に合流し, 紡錘状に拡張していた. 膵管は合流部から1cm尾側で平滑に終了し, 短小であり, 副乳頭造影を施行したところ, 背側膵管は尾部まで平滑に造影され, 腹側膵管との交通を認めなかった. 両奇形の合併例の報告は極めて少なく, われわれの検索しえた範囲では本症例を加えわずか5例のみであった.今後膵・胆管合流異常症例においては, 膵管癒合不全の...

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Published in胆道 Vol. 8; no. 3; pp. 287 - 291
Main Authors 辻田, 重信, 中山, 雅樹, 辻井, 正, 中谷, 敏也, 福井, 博, 松本, 昌美, 森村, 昌史, 帆風, 洋一, 菊池, 英亮, 梅本, 典江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1994
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.8.3_287

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Summary:膵・胆管合流異常に膵管非癒合を合併した1症例を経験した. 症例は27歳女性. 右季肋部痛を主訴に近医受診し, 腹部超音波検査にて総胆管の拡張を指摘され, 精査加療のため当科に紹介された. ERCPでは, 総胆管は主乳頭開口部より約2.5cmの部位で膵管に合流し, 紡錘状に拡張していた. 膵管は合流部から1cm尾側で平滑に終了し, 短小であり, 副乳頭造影を施行したところ, 背側膵管は尾部まで平滑に造影され, 腹側膵管との交通を認めなかった. 両奇形の合併例の報告は極めて少なく, われわれの検索しえた範囲では本症例を加えわずか5例のみであった.今後膵・胆管合流異常症例においては, 膵管癒合不全の合併も念頭におき検討を加えていく必要があると考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.8.3_287