著明な好酸球増多症を伴った原発性胆嚢癌の1剖検例
悪性腫瘍に伴う好酸球増多症の報告は時にみられるが,胆嚢癌との含併の報告は本邦では初めてであり,若干の文献的考察を加え報告する.症例は48歳,女性,上腹部不快感を主訴として入院.アレルギー歴.入院時現症:黄疸を認め,腹部にて表面不整の硬い肝を6横指,脾を2横指触知した.末梢血白血球数52,500/mm3,好酸球数15,200/mm3と著明な好酸球増多を認めたが,IgEは720U/mlと正常範囲内であった.骨髄像では異型細胞は認めず,irritatcd bone marrowの像を呈した.寄生虫疾患は血清学的に否定された.各種画像診断から転移性肝癌および胆嚢癌または膵頭部癌が疑われたが,確診は得ら...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 胆道 Vol. 2; no. 4; pp. 532 - 538 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本胆道学会
    
        1988
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0914-0077 1883-6879  | 
| DOI | 10.11210/tando1987.2.4_532 | 
Cover
| Summary: | 悪性腫瘍に伴う好酸球増多症の報告は時にみられるが,胆嚢癌との含併の報告は本邦では初めてであり,若干の文献的考察を加え報告する.症例は48歳,女性,上腹部不快感を主訴として入院.アレルギー歴.入院時現症:黄疸を認め,腹部にて表面不整の硬い肝を6横指,脾を2横指触知した.末梢血白血球数52,500/mm3,好酸球数15,200/mm3と著明な好酸球増多を認めたが,IgEは720U/mlと正常範囲内であった.骨髄像では異型細胞は認めず,irritatcd bone marrowの像を呈した.寄生虫疾患は血清学的に否定された.各種画像診断から転移性肝癌および胆嚢癌または膵頭部癌が疑われたが,確診は得られなかった.癌性腹膜炎に対して施行したmitomycinC腹腔内投与後,好酸球数の著明な改善を認めた.剖検所見は胆嚢原発のadcnocarcinomaで,原発巣および転移巣に好酸球の浸潤はなかったが,骨髄で好酸球の賦活を認めた. | 
|---|---|
| ISSN: | 0914-0077 1883-6879  | 
| DOI: | 10.11210/tando1987.2.4_532 |