RC-M・A・Pの凝集塊について

赤血球M・A・P「日赤」(以下RC-M・A・P)は, 赤血球の長期保存にともなう血液の有効利用および原料血漿の確保等を目的に開発された. 本製剤の特徴は, 欧米で使用されているSAGM, ADSOL加濃厚赤血球より溶血を低く抑える目的でマンニトール濃度を高くしていることである. RC-M・A・Pは, 濃厚赤血球「日赤」(以下CRC)に変わる製剤として, 平成4年4月より供給が始まった. しかし, 肉眼的に確認できるほどの巨大な凝集塊(大凝集塊)が認められたり, まれに輸血ラインがつまる等新たな問題が浮かび上がった. 血液製剤は, 保存日数の増加に伴って凝集塊が発生することが知られており, 輸血...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 24 - 31
Main Authors 竹ノ内, 康司, 田山, 達也, 田所, 憲治, 西村, 元子, 十字, 猛夫, 高橋, 雅彦, 柴, 雅之, 江畑, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1994
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.40.24

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Summary:赤血球M・A・P「日赤」(以下RC-M・A・P)は, 赤血球の長期保存にともなう血液の有効利用および原料血漿の確保等を目的に開発された. 本製剤の特徴は, 欧米で使用されているSAGM, ADSOL加濃厚赤血球より溶血を低く抑える目的でマンニトール濃度を高くしていることである. RC-M・A・Pは, 濃厚赤血球「日赤」(以下CRC)に変わる製剤として, 平成4年4月より供給が始まった. しかし, 肉眼的に確認できるほどの巨大な凝集塊(大凝集塊)が認められたり, まれに輸血ラインがつまる等新たな問題が浮かび上がった. 血液製剤は, 保存日数の増加に伴って凝集塊が発生することが知られており, 輸血する際, ろ過装置が具備された輸血セットの使用が義務づけられている. しかし, 肉眼的に観察できるほどの大凝集塊はなく, そのほとんどは, ろ過装置内のフィルターに多くがトラップされて始めて確認できる程度のものである.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.40.24