口腔白板症におけるWHOの上皮性異形成診断基準とTGF-αおよびp53蛋白の発現との関連

上皮性異形成を有する口腔白板症で認められる上皮の変化とTGF-αおよびp53蛋白の発現との関連を検討した。このため, 上皮性異形成を示す口腔白板症48例について連続切片を作成し, TGF-αおよびp53蛋白の発現について免疫染色を施行した。そして, WHOの上皮性異形成診断基準とTGF-αおよびp53蛋白の発現との関連を検討した。 その結果, TGF-αおよびp53蛋白の発現は, 上皮性異形成の診断基準項目が多い症例ほど強くなっており, TGF-α高発現症例に診断基準項目3, 4, 5, 6, 7が, またp53高発現症例で項目3, 4, 6, 7が低発現症例と比較して多くみられた。これらの項...

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Published in日本口腔粘膜学会雑誌 Vol. 4; no. 2; pp. 115 - 121
Main Authors 中村, 雅子, 油井, 久美恵, 山口, 真吾, 岩瀬, 正泰, 角田, 左武郎, 南雲, 正男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 1998
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ISSN1341-7983
1884-1473
DOI10.6014/jjomm1995.4.115

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Summary:上皮性異形成を有する口腔白板症で認められる上皮の変化とTGF-αおよびp53蛋白の発現との関連を検討した。このため, 上皮性異形成を示す口腔白板症48例について連続切片を作成し, TGF-αおよびp53蛋白の発現について免疫染色を施行した。そして, WHOの上皮性異形成診断基準とTGF-αおよびp53蛋白の発現との関連を検討した。 その結果, TGF-αおよびp53蛋白の発現は, 上皮性異形成の診断基準項目が多い症例ほど強くなっており, TGF-α高発現症例に診断基準項目3, 4, 5, 6, 7が, またp53高発現症例で項目3, 4, 6, 7が低発現症例と比較して多くみられた。これらの項目はいずれも細胞分裂あるいは増殖と関連すると考えられることから, TGF-αおよびp53蛋白が上皮細胞の増殖に何らかの役割を演じている可能性が示唆された。
ISSN:1341-7983
1884-1473
DOI:10.6014/jjomm1995.4.115