痔核の時間的進行経過の検討
痔核の脱出症状の時間的進行経過と,発育進展に影響するリスク因子を明らかにする目的で,手術症例計200例を対象にアンケート調査を行った.脱出程度はGoligher分類に準拠して,II度をIIa(脱出したと初めて感じた時期)・IIb(排便時ほとんど毎回脱出すると感じた時期)に細分類し,1年=1cm間隔のVAS(Visual Analog Scale)を用い病期間隔を計測した.II-III,III-IV,IIa-IIb,IIb-IIIの中央値(年)はそれぞれ5,1,3,0.2で,全期間とも7割以上が10年未満であった.患者因子別(性別,便の硬度,機能性便秘の有無,便秘スコア,食物繊維摂取の多寡,職業...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 69; no. 2; pp. 59 - 65 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.69.59 |
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Summary: | 痔核の脱出症状の時間的進行経過と,発育進展に影響するリスク因子を明らかにする目的で,手術症例計200例を対象にアンケート調査を行った.脱出程度はGoligher分類に準拠して,II度をIIa(脱出したと初めて感じた時期)・IIb(排便時ほとんど毎回脱出すると感じた時期)に細分類し,1年=1cm間隔のVAS(Visual Analog Scale)を用い病期間隔を計測した.II-III,III-IV,IIa-IIb,IIb-IIIの中央値(年)はそれぞれ5,1,3,0.2で,全期間とも7割以上が10年未満であった.患者因子別(性別,便の硬度,機能性便秘の有無,便秘スコア,食物繊維摂取の多寡,職業,痔核肉眼形態)に脱出症状の病期間隔を検討した結果,進行を速める因子は便秘スコア7点以上であり,II-IIIとIIa-IIb期間で有意に病期間隔が短かった(P=0.04).便秘スコア高値は痔核進行を速める可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.69.59 |