天然歯列中の歯頸円錐と辺縁歯肉についての角度分析
目的: 修復物の適切な歯頸部形態に関して, 数量的に検討した報告はない. そこで, 歯頸部形態として歯頸円錐に着目し, 天然歯列における辺縁歯肉と歯頸円錐との関係を数量的に検討し, 修復物の歯頸円錐に適切な形態を付与するための参考となる角度を明らかにすることを目的とした. 方法: 健常有歯顎者の上下顎歯列模型20組を用いて, 辺縁歯肉と歯頸円錐とのなす角度 (CG角) および歯冠軸と歯頸部の接線とのなす角度 (CA角) を計測した. 結果: CG角の平均は, 96.7°(上顎第一大臼歯口蓋側) から123.9°(下顎中切歯唇側) の間に分布していた. 同名歯内でCG角を比較すると, 上下顎間お...
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          | Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 48; no. 5; pp. 771 - 780 | 
|---|---|
| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            社団法人 日本補綴歯科学会
    
        2004
     日本補綴歯科学会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0389-5386 1883-177X  | 
| DOI | 10.2186/jjps.48.771 | 
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| Summary: | 目的: 修復物の適切な歯頸部形態に関して, 数量的に検討した報告はない. そこで, 歯頸部形態として歯頸円錐に着目し, 天然歯列における辺縁歯肉と歯頸円錐との関係を数量的に検討し, 修復物の歯頸円錐に適切な形態を付与するための参考となる角度を明らかにすることを目的とした. 方法: 健常有歯顎者の上下顎歯列模型20組を用いて, 辺縁歯肉と歯頸円錐とのなす角度 (CG角) および歯冠軸と歯頸部の接線とのなす角度 (CA角) を計測した. 結果: CG角の平均は, 96.7°(上顎第一大臼歯口蓋側) から123.9°(下顎中切歯唇側) の間に分布していた. 同名歯内でCG角を比較すると, 上下顎間および頬舌側間に有意差はほとんど認められなかった. しかし, 前歯部のCG角は, 小臼歯部および大臼歯部のCG角よりも有意に大きな値を示した (p<0.05). 前歯部の歯頸円錐は, 上下顎ともに頂点が切縁側にある円錐形態 (CA角>0°) であり, 臼歯部の歯頸円錐は, 頂点が根尖側にある円錐形態 (CA角>0°) であった. CA角とCG角との間には, 有意な負の相関が認められた (p<0.001). 結論: 歯頸円錐とその周囲歯肉とがなす角度は, 定量的に普遍性を有することが明らかになった. さらに, 歯頸円錐は, その周囲歯肉の形態を決定する要素の1つであることが示唆された. | 
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| ISSN: | 0389-5386 1883-177X  | 
| DOI: | 10.2186/jjps.48.771 |