プロトン性イオン液中におけるセルロースのエステル化

アミジンとカルボン酸(酢酸,プロピオン酸,酪酸)の中和反応により,五種類のプロトン性イオン液体(PIL)を合成し,それらPIL中において無水酢酸を用いたセルロースのエステル化反応を行った.得られたセルロース誘導体はDMSOに溶解した.セルロース誘導体の1H NMRスペクトルにおいて,無水酢酸由来のアセチル基だけでなく,PILのアニオンに基づく化学シフトも観測された.セルロースのエステル置換度は,PILの構造により変化した.得られたセルロース誘導体は270°C以上に熱分解温度を示し,170°C以下にガラス転移温度を示した....

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Published in高分子論文集 Vol. 76; no. 4; pp. 330 - 334
Main Authors 竹岡, 裕子, 陸川, 政弘, 藤田, 正博, 英, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.07.2019
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.2019-0017

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Summary:アミジンとカルボン酸(酢酸,プロピオン酸,酪酸)の中和反応により,五種類のプロトン性イオン液体(PIL)を合成し,それらPIL中において無水酢酸を用いたセルロースのエステル化反応を行った.得られたセルロース誘導体はDMSOに溶解した.セルロース誘導体の1H NMRスペクトルにおいて,無水酢酸由来のアセチル基だけでなく,PILのアニオンに基づく化学シフトも観測された.セルロースのエステル置換度は,PILの構造により変化した.得られたセルロース誘導体は270°C以上に熱分解温度を示し,170°C以下にガラス転移温度を示した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2019-0017