視交叉部転移性腫瘍に対しサイバーナイフ8分割定位放射線治療を施行した1例
視交叉部転移性腫瘍は非常にまれで,本報告を含め3つの症例報告を認めるに過ぎない.過去の2症例はいずれも生検後全脳照射を施行しており,症例1は治療6か月後に死亡,症例2は放射線治療後若干の視野の改善を認めたが18か月後に再発し全盲となり治療32か月後に死亡しており,機能生命予後は極めて不良である.本症例は60歳女性,肺腺がんに対しシスプラチンとゲムシタビンによる化学療法を1クール施行した.3か月後に急激な視力低下を認めたため化学療法2クール目を施行したが,視力はさらに悪化し1か月後には右視力喪失,左視力手動弁となった.画像上視交叉に限局する転移性腫瘍を認め,サイバーナイフによる40Gy/8分割定...
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Published in | 昭和学士会雑誌 Vol. 73; no. 4; pp. 397 - 402 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学学士会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 2187-719X 2188-529X |
DOI | 10.14930/jshowaunivsoc.73.397 |
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Summary: | 視交叉部転移性腫瘍は非常にまれで,本報告を含め3つの症例報告を認めるに過ぎない.過去の2症例はいずれも生検後全脳照射を施行しており,症例1は治療6か月後に死亡,症例2は放射線治療後若干の視野の改善を認めたが18か月後に再発し全盲となり治療32か月後に死亡しており,機能生命予後は極めて不良である.本症例は60歳女性,肺腺がんに対しシスプラチンとゲムシタビンによる化学療法を1クール施行した.3か月後に急激な視力低下を認めたため化学療法2クール目を施行したが,視力はさらに悪化し1か月後には右視力喪失,左視力手動弁となった.画像上視交叉に限局する転移性腫瘍を認め,サイバーナイフによる40Gy/8分割定位放射線治療を施行し,1か月後には急速な視力視野の回復と画像上の腫瘍消失が得られた.その後16か月間再発,視力低下を認めず,日常生活自立し,QOLは維持された. |
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ISSN: | 2187-719X 2188-529X |
DOI: | 10.14930/jshowaunivsoc.73.397 |