皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫にシェーグレン症候群を合併した一例

症例は37歳女性.1994年に臀部・大腿部に圧痛を伴う皮下結節が出現.他院にて皮膚生検施行され,Weber-Christian病と診断.プレドニン50mg/dayの投与にて軽快した.2004年再び臀部・大腿部に皮下結節が出現.Weber-Christian病の再燃と診断され,プレドニン40mg/dayで軽快した.2006年2月に近医でSS-A抗体陽性を指摘され,当科紹介入院.入院後,涙液の低下は認めなかったが,唾液腺機能低下と小唾液腺の組織所見よりシェーグレン症候群と診断した.一方,1994年のWeber-Christian病と診断された際の皮膚生検ブロックを取り寄せ,当院にて検討したところ,...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 34; p. 94
Main Authors 進藤, 靖史, 秋山, 雄次, 秋葉, 春彦, 新井, 栄一, 吉田, 佳弘, 土田, 哲也, 横田, 和浩, 淺沼, ゆう, 水上, 晶子, 倉持, 朗, 三村, 俊英, 荒木, 靖人, 上川, 哲平, 阿達, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2006
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.34.0.94.0

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Summary:症例は37歳女性.1994年に臀部・大腿部に圧痛を伴う皮下結節が出現.他院にて皮膚生検施行され,Weber-Christian病と診断.プレドニン50mg/dayの投与にて軽快した.2004年再び臀部・大腿部に皮下結節が出現.Weber-Christian病の再燃と診断され,プレドニン40mg/dayで軽快した.2006年2月に近医でSS-A抗体陽性を指摘され,当科紹介入院.入院後,涙液の低下は認めなかったが,唾液腺機能低下と小唾液腺の組織所見よりシェーグレン症候群と診断した.一方,1994年のWeber-Christian病と診断された際の皮膚生検ブロックを取り寄せ,当院にて検討したところ,皮下脂肪小葉間を主体にbean bag cellを含み,CD8陽性の異型リンパ球の浸潤を多数認め,T細胞レセプターの遺伝子再構成が確認されたことから,皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫と診断した.皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫は稀であり,シェーグレン症候群を合併することは極めて稀であることから,文献的考察を加え報告する.
Bibliography:15-28
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.34.0.94.0