膠原病難治性病態の早期診断,予後推定,治療方針確立における自己抗体の意義に関する多施設共同研究

【目的】多施設共同研究により,難治性病態を呈する全身性自己免疫疾患患者において種々の自己抗体を測定し,その特異性・治療反応性・転帰との関連を明らかにして,早期診断・予後推定・治療方針の指標の確立をめざす.【方法】各施設に2003年4月から1年間に入院した,SLE,SSc,PM/DM,RAの全患者を登録し,自己抗体を測定し,臨床症状,治療とその反応性,転帰を追跡調査した.自己抗体は市販ELISAキットおよびRNA免疫沈降法にて測定した.【結果】登録症例数は520で,SLE 214,SSc 57,PM/DM 62,RA 145,これらの重複症候群21であった.最多合併症はRAで肺疾患,SLEでネフ...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 33; p. 41
Main Authors 堤, 明人, 田中, 真生, 高崎, 芳成, 広畑, 俊成, 南木, 敏宏, 吉田, 俊治, 寺井, 千尋, 平形, 道人, 桑名, 正隆, 遠藤, 平仁, 土肥, 眞, 三森, 経世, 津坂, 憲政, 野島, 崇樹, 山田, 秀裕, 市川, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2005
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.33.0.41.0

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Summary:【目的】多施設共同研究により,難治性病態を呈する全身性自己免疫疾患患者において種々の自己抗体を測定し,その特異性・治療反応性・転帰との関連を明らかにして,早期診断・予後推定・治療方針の指標の確立をめざす.【方法】各施設に2003年4月から1年間に入院した,SLE,SSc,PM/DM,RAの全患者を登録し,自己抗体を測定し,臨床症状,治療とその反応性,転帰を追跡調査した.自己抗体は市販ELISAキットおよびRNA免疫沈降法にて測定した.【結果】登録症例数は520で,SLE 214,SSc 57,PM/DM 62,RA 145,これらの重複症候群21であった.最多合併症はRAで肺疾患,SLEでネフローゼ症候群,SScで難治性皮膚病変,PM/DMで間質性肺炎であった.自己抗体との有意な相関を認めたのは,PM/DMの抗ARS抗体と間質性肺炎(p<0.005),SLEの抗Smおよび抗ribosome抗体と中枢神経症状(p<0.005, p<0.02),SLEの抗SSB/La抗体と間質性肺炎(p<0.02),SScの抗RibosomeP抗体と難治性皮膚潰瘍(p<0.02)であった.【考察】自己抗体は診断に役立つ疾患特異的マーカーであるのみならず,病態とも関連する病態マーカーになりうることが示された.これは自己抗体によって臨床経過や重症度,治療反応性を予測することが可能となることを示唆する.
Bibliography:2-8
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.33.0.41.0