減量プログラムの成果にみられる季節差

本研究では, 減量プログラムの成果に季節差がみらるかどうかを検証するために, 日本の成人肥満女性95名を対象に運動と食事指導からなる減量プログラムを実施し, 身体計測値および身体組成と有酸素性能力の変化を検討した.得られた主な結果は次の通りである. 1.W群はS群と比較して, 身体組成は望ましい変化であった.とくにFFMの増加はW群で有意に大きかった. 2.VO2maxの変化の大きさに両群間で差異はなかったが, VO2LTの変化はS群で有意に大きかった. 3.総摂取エネルギーはS群で有意に減少し, 3大栄養素別では糖質が有意に減少した.しかし, PFC比でみれば両群に差異はなかった. 以上より...

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Published in体力科学 Vol. 47; no. 5; pp. 509 - 516
Main Authors 安達, 幸生, 田中, 喜代次, 島本, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本体力医学会 1998
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ISSN0039-906X
1881-4751
DOI10.7600/jspfsm1949.47.509

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Summary:本研究では, 減量プログラムの成果に季節差がみらるかどうかを検証するために, 日本の成人肥満女性95名を対象に運動と食事指導からなる減量プログラムを実施し, 身体計測値および身体組成と有酸素性能力の変化を検討した.得られた主な結果は次の通りである. 1.W群はS群と比較して, 身体組成は望ましい変化であった.とくにFFMの増加はW群で有意に大きかった. 2.VO2maxの変化の大きさに両群間で差異はなかったが, VO2LTの変化はS群で有意に大きかった. 3.総摂取エネルギーはS群で有意に減少し, 3大栄養素別では糖質が有意に減少した.しかし, PFC比でみれば両群に差異はなかった. 以上より, W群はS群に比べて身体組成に望ましい変化を示したといえ, その変化にはエネルギー摂取量の差異および寒冷環境下での脂肪組織の活性の違いが影響していると推察できる.FFMの増加と有酸素性能力の向上との関連については検討の余地が残るが, 本研究の結果は減量プログラム実施にとって冬季が有利であることを示唆している. 本研究の要旨の一部は, 第2回European College of Sports Science (於: コペンハーゲン) において報告した. 本研究の一部は筑波大学先端学際領域研究 (TARA) センター (田中プロジェクト) の援助を受けて行なったものである.
ISSN:0039-906X
1881-4751
DOI:10.7600/jspfsm1949.47.509