間質性肺炎を合併した筋症状のない皮膚筋炎における抗CADM-140抗体の臨床的意義

【目的】皮膚筋炎 (DM) の皮疹を呈するが筋症状を認めないclinically amyopathic dermatomyositis (C-ADM) は治療抵抗性の急性型間質性肺炎を併発することがある。従来、そのような症例では筋炎特異的抗体は陰性とされたが、近年C-ADMに特異的な抗CADM-140抗体が報告された。抗CADM-140抗体を検出しその臨床的特徴を検討した。【方法】当科を受診した膠原病とその疑い患者182例 (DM 34 (CADM 13)、多発性筋炎46、全身性エリテマトーデス2、強皮症10、関節リウマチ17、その他疾患54) および健常人21例の血清を対象とし、35Sメチオ...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 36; p. 82
Main Authors 大村, 浩一郎, 臼井, 崇, 三森, 経世, 野島, 崇樹, 中嶋, 蘭, 藤井, 隆夫, 湯川, 尚一郎, 川端, 大介, 井村, 嘉孝, 吉藤, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2008
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.36.0.82.0

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Summary:【目的】皮膚筋炎 (DM) の皮疹を呈するが筋症状を認めないclinically amyopathic dermatomyositis (C-ADM) は治療抵抗性の急性型間質性肺炎を併発することがある。従来、そのような症例では筋炎特異的抗体は陰性とされたが、近年C-ADMに特異的な抗CADM-140抗体が報告された。抗CADM-140抗体を検出しその臨床的特徴を検討した。【方法】当科を受診した膠原病とその疑い患者182例 (DM 34 (CADM 13)、多発性筋炎46、全身性エリテマトーデス2、強皮症10、関節リウマチ17、その他疾患54) および健常人21例の血清を対象とし、35Sメチオニン標識HeLa細胞を抗原に用いた免疫沈降法を施行した。抗CADM-140抗体は慶大佐藤らの標準血清と同一の140kD蛋白の免疫沈降により同定した。【結果】抗CADM-140抗体は対象症例中12例で陽性であり、10例がCADM (CADMの83%)、2例がDM (筋症状を伴うDMの10%)であった 。同抗体陽性例中92%に胸部CT上間質性肺病変を認め、58%が急速進行性間質性肺炎を呈し、50%が呼吸不全で死亡した(抗体陰性DMは各々59%、5%、5%)。【結語】抗CADM-140抗体陽性例は予後不良な急速進行性間質性肺炎の頻度が高く、同抗体の早期確認は予後把握と治療方針決定に重要と考えられた。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.36.0.82.0