急性期に誤嚥性肺炎を合併した大腿骨近位部骨折患者の 臨床的特徴と帰結

本研究の目的は急性期病院入院中に誤嚥性肺炎を合併した大腿骨近位部骨折患者の臨床的特徴と帰結を明らかにし,今後の課題を検討することである.対象は嚥下障害を有する大腿骨近位部骨折患者60 名とした.患者を肺炎合併群と非合併群に分け,各種臨床パラメーターを比較検討した.肺炎合併群には中枢神経疾患の既往がある重度嚥下障害,保存的治療の患者が多くみられた.また,半数以上が経口摂取困難となり,在院日数が長期化した.そして,回復期病院への転院が少なく療養型病院への転院や死亡退院が多くみられた.大腿骨近位部骨折患者の予後や転帰を悪化させないためには,入院早期から嚥下障害に関わる多職種が連携して入院中の誤嚥性肺...

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Published in保健医療学雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 96 - 103
Main Authors 川本, 正美, 前田, 留美子, 眞野, 智生, 鳥居, 行雄, 小林, 靖, 大久保, 元博, 西嶋, 久美子, 長尾, 恭史, 田積, 匡平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 保健医療学学会 2017
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ISSN2185-0399
DOI10.15563/jalliedhealthsci.8.96

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Summary:本研究の目的は急性期病院入院中に誤嚥性肺炎を合併した大腿骨近位部骨折患者の臨床的特徴と帰結を明らかにし,今後の課題を検討することである.対象は嚥下障害を有する大腿骨近位部骨折患者60 名とした.患者を肺炎合併群と非合併群に分け,各種臨床パラメーターを比較検討した.肺炎合併群には中枢神経疾患の既往がある重度嚥下障害,保存的治療の患者が多くみられた.また,半数以上が経口摂取困難となり,在院日数が長期化した.そして,回復期病院への転院が少なく療養型病院への転院や死亡退院が多くみられた.大腿骨近位部骨折患者の予後や転帰を悪化させないためには,入院早期から嚥下障害に関わる多職種が連携して入院中の誤嚥性肺炎の予防に努める必要がある.
ISSN:2185-0399
DOI:10.15563/jalliedhealthsci.8.96