両側被殻出血を発症した結節性多発動脈炎の1例

要旨:両側被殻出血を発症した結節性多発動脈炎の1例を経験したので報告する.症例は74歳男性.発熱と高CRP血症と間質性肺炎を認め,血管炎を疑うもののELISA法でのANCA,組織所見ともに陰性であり無投薬にて経過観察となっていた.経過中,構音障害,右口角下垂が突然出現し,頭部CTにて両側被殻出血を認め当科入院となった.血管炎による脳出血と考えステロイド治療を開始したが,脳出血の増悪を来し,間質性肺炎の増悪にて死亡した.穿通枝領域の脳出血であったが,病理解剖では中動脈レベルでの血管炎所見を中心に認め,結節性多発動脈炎であると病理診断した....

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Published in脳卒中 Vol. 35; no. 1; pp. 30 - 35
Main Authors 青池, 太志, 澤田, 甚一, 梶山, 裕太, 清水, 幹人, 星, 拓, 深田, 慶, 廣澤, 太輔, 狭間, 敬憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.01.2013
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.35.30

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Summary:要旨:両側被殻出血を発症した結節性多発動脈炎の1例を経験したので報告する.症例は74歳男性.発熱と高CRP血症と間質性肺炎を認め,血管炎を疑うもののELISA法でのANCA,組織所見ともに陰性であり無投薬にて経過観察となっていた.経過中,構音障害,右口角下垂が突然出現し,頭部CTにて両側被殻出血を認め当科入院となった.血管炎による脳出血と考えステロイド治療を開始したが,脳出血の増悪を来し,間質性肺炎の増悪にて死亡した.穿通枝領域の脳出血であったが,病理解剖では中動脈レベルでの血管炎所見を中心に認め,結節性多発動脈炎であると病理診断した.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.35.30