房室結節slow pathway ablationによる頻脈性心房細動の心拍数コントロールの可能性について

薬剤抵抗性で難治性の頻脈性心房細動 (Afib) の一部では頻脈になる原因として, 房室接合部の速伝導路 (FP) と遅伝導路 (SP) の双方に房室伝導が関与している可能性が考えられる.そこで今回我々は, SPを高周波力テーテル焼灼にて離断することにより, Afib時の平均心室拍数を減少させることが可能か否かを検討した.対象は薬剤抵抗性の発作性心房粗動を有する5例および房室結節リエントリー性頻拍1例.方法は, SPに対してカテーテル・アブレーション (CA) を施行し, CA前後でAfib時の平均心室拍数を比較した.6例中3例で心房早期刺激法にて二重房室伝導を認め, 同症例においてはSPのC...

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Published in心電図 Vol. 18; no. 1; pp. 54 - 61
Main Authors 小島, 利明, 渡辺, 一郎, 國本, 聡, 小沢, 友紀雄, 近藤, 一彦, 高橋, 義和, 梶田, 潤一郎, 渡部, 弘美, 斎藤, 頴, 上松, 瀬勝男, 中井, 俊子, 柳川, 新
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 1998
日本心電学会
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.18.54

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Summary:薬剤抵抗性で難治性の頻脈性心房細動 (Afib) の一部では頻脈になる原因として, 房室接合部の速伝導路 (FP) と遅伝導路 (SP) の双方に房室伝導が関与している可能性が考えられる.そこで今回我々は, SPを高周波力テーテル焼灼にて離断することにより, Afib時の平均心室拍数を減少させることが可能か否かを検討した.対象は薬剤抵抗性の発作性心房粗動を有する5例および房室結節リエントリー性頻拍1例.方法は, SPに対してカテーテル・アブレーション (CA) を施行し, CA前後でAfib時の平均心室拍数を比較した.6例中3例で心房早期刺激法にて二重房室伝導を認め, 同症例においてはSPのCAにより心房頻回刺激にて誘発したAfib時の心拍数の減少を認めた.心房早期刺激法にて明らかな二重房室伝導を認めなかった3症例では, SP焼灼後も誘発したAfib時の平均心室拍数には有意な変化は見られなかった.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.18.54