準好気性埋立構造における生ごみ生物分解過程から生成する水分量に関する研究

最終処分場を適切に計画する上で,浸出水の水量予測は浸出水処理施設計画にとって必須であるが,生ごみの直接埋立が主体である開発途上国では,準好気性埋立構造における生ごみ生物分解過程から生成する水分量は,降水量に比較して無視できないと考えられる。そこで本研究では,生ごみを充填して行った準好気性埋立構造の大型埋立実験槽の物質収支を考慮して,埋立廃棄物層内の主要な物質転換である有機物生物分解過程に関する既往の知見に基づき,化学量論的に関連する物質量の推定法を考案し,この推定法に基づいて実験データを解析した。その結果,生ごみ生物分解過程から生成する水分量は,埋立当初1年目は降水量に対して約6~8%であった...

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Published in廃棄物資源循環学会論文誌 Vol. 23; no. 2; pp. 109 - 116
Main Authors 平田, 修, 松藤, 康司, 真次, 寛, 田中, 綾子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2012
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ISSN1883-5856
1883-5899
DOI10.3985/jjsmcwm.23.109

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Summary:最終処分場を適切に計画する上で,浸出水の水量予測は浸出水処理施設計画にとって必須であるが,生ごみの直接埋立が主体である開発途上国では,準好気性埋立構造における生ごみ生物分解過程から生成する水分量は,降水量に比較して無視できないと考えられる。そこで本研究では,生ごみを充填して行った準好気性埋立構造の大型埋立実験槽の物質収支を考慮して,埋立廃棄物層内の主要な物質転換である有機物生物分解過程に関する既往の知見に基づき,化学量論的に関連する物質量の推定法を考案し,この推定法に基づいて実験データを解析した。その結果,生ごみ生物分解過程から生成する水分量は,埋立当初1年目は降水量に対して約6~8%であったが,年間降水量が1,000mm以下の地域においては年間降水量の10%を超えることなどから,生ごみ生物分解生成水量は,埋立条件によっては,埋立初期において降水量と比較して無視できないことを明らかにした。
ISSN:1883-5856
1883-5899
DOI:10.3985/jjsmcwm.23.109