直腸神経内分泌腫瘍に対する内視鏡治療後の長期予後
【はじめに】直腸神経内分泌腫瘍(NET)において内視鏡治療後の病理組織学的診断で脈管侵襲陽性となった場合,追加切除の検討が必要とされているが,内視鏡治療後の長期予後に関して十分なエビデンスがない.【方法】2005年1月~2021年12月に当院で内視鏡治療をした腫瘍径1cm未満で粘膜下層までにとどまる直腸NET G1患者158例中,脈管侵襲陽性であった44例(27.8%)を対象とし,リンパ節/遠隔転移率,再発/死亡率を検討した.【結果】追加外科切除を12例,経過観察が32例であった.追加外科切除例で2例リンパ節転移が認められ,経過観察例の5例で他病死が認められたが,遠隔転移,再発,原病死はみられ...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 77; no. 2; pp. 77 - 83 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本大腸肛門病学会
2024
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.77.77 |
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Summary: | 【はじめに】直腸神経内分泌腫瘍(NET)において内視鏡治療後の病理組織学的診断で脈管侵襲陽性となった場合,追加切除の検討が必要とされているが,内視鏡治療後の長期予後に関して十分なエビデンスがない.【方法】2005年1月~2021年12月に当院で内視鏡治療をした腫瘍径1cm未満で粘膜下層までにとどまる直腸NET G1患者158例中,脈管侵襲陽性であった44例(27.8%)を対象とし,リンパ節/遠隔転移率,再発/死亡率を検討した.【結果】追加外科切除を12例,経過観察が32例であった.追加外科切除例で2例リンパ節転移が認められ,経過観察例の5例で他病死が認められたが,遠隔転移,再発,原病死はみられなかった.【結語】腫瘍径1cm未満の直腸NET G1における内視鏡治療後の脈管侵襲陽性例では再発,原病死はみられなかった. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.77.77 |