学校における食育の評価 実態把握の項目と方法―平成29年度栄養教育研究会企画公開学習会の報告

背景:日本健康教育学会栄養教育研究会では,平成25年度から学校における食育の評価についての研究活動を進めている.平成29年6月に行った公開座談会では,食育の評価を進めるための具体的な方法を知りたいという発言が多くあった.そこで,本年度は,食育の評価の最初の段階として行う実態把握に焦点を当てた活動を行ってきた.本稿では,今年度の活動として開催した公開学習会「学校における食育の評価~実態把握の項目と方法~」の概要を示す.内容:本学習会への参加者は88名であった.まず本年度の研究会の活動報告として,全国調査で用いられている調査項目と平成28年度のスーパー食育スクール2校で用いられていた実態把握の項目...

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Published in日本健康教育学会誌 Vol. 26; no. 3; pp. 313 - 319
Main Authors 坂本, 達昭, 神戸, 美恵子, 會退, 友美, 衛藤, 久美, 中西, 明美, 稲山, 貴代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康教育学会 31.08.2018
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ISSN1340-2560
1884-5053
DOI10.11260/kenkokyoiku.26.313

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Summary:背景:日本健康教育学会栄養教育研究会では,平成25年度から学校における食育の評価についての研究活動を進めている.平成29年6月に行った公開座談会では,食育の評価を進めるための具体的な方法を知りたいという発言が多くあった.そこで,本年度は,食育の評価の最初の段階として行う実態把握に焦点を当てた活動を行ってきた.本稿では,今年度の活動として開催した公開学習会「学校における食育の評価~実態把握の項目と方法~」の概要を示す.内容:本学習会への参加者は88名であった.まず本年度の研究会の活動報告として,全国調査で用いられている調査項目と平成28年度のスーパー食育スクール2校で用いられていた実態把握の項目の事例を紹介した.その後,活動報告を受けて,実態把握として実際に現場で行っている点,今後できそうな点,難しそうな点についてグループディスカッションを行った.公開学習会終了後のアンケートは,非常に満足した:46名,まあ満足した:35名,どちらともいえない:1名であった(有効回答者82名).結論:本公開学習会では,実践の現場における実態把握の重要性について再認識された.しかし,現場では,予算や人手など様々な障害によって実態把握が必ずしもうまく行われるわけではないこともわかった.一方,都道府県,市町村レベルで毎年実態把握を行えている地域もあるという報告もあったことから,今後は,食育の実態把握,評価のシステム作りについて検討をしていきたい.
ISSN:1340-2560
1884-5053
DOI:10.11260/kenkokyoiku.26.313