心電図異常にて発見された女性Fabry病保因者の2例

Fabry病は,伴性劣性遺伝形式をとる先天性脂質代謝異常症である. hemizygoteである男性は典型的な症状を呈するが, heterozygoteである女性では典型的症状を呈するものから無症状のものまで様々である.我々は,無症状で心電図異常のみを認める2女性をFabry病heterozygoteと診断し,そのFabry病2家系を明らかにした. 2例ともに心エコー図にて肥大型心筋症の所見を認め,心筋生検にてFabry病に特徴的な所見を呈していた.家系では, 1例は患者の姉妹ならびに3人の子供が尿中ceramide trihexoside陽性であり,もう1例は患者の母と長男で白血球α-gala...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 75; no. 8; pp. 1123 - 1128
Main Authors 田村, 友秀, 佐々木, 豊志, 林, 陸郎, 飯塚, 利夫, 山本, 裕久, 神田, 洋, 村山, 耕平, 鈴木, 忠, 高瀬, 真一, 村田, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1986
Online AccessGet full text
ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.75.1123

Cover

More Information
Summary:Fabry病は,伴性劣性遺伝形式をとる先天性脂質代謝異常症である. hemizygoteである男性は典型的な症状を呈するが, heterozygoteである女性では典型的症状を呈するものから無症状のものまで様々である.我々は,無症状で心電図異常のみを認める2女性をFabry病heterozygoteと診断し,そのFabry病2家系を明らかにした. 2例ともに心エコー図にて肥大型心筋症の所見を認め,心筋生検にてFabry病に特徴的な所見を呈していた.家系では, 1例は患者の姉妹ならびに3人の子供が尿中ceramide trihexoside陽性であり,もう1例は患者の母と長男で白血球α-galactosidase活性の低下を認め, Fabry病と診断された.無症状のFabry病女性例の報告はまれである.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.75.1123